プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)社会経済開発人材育成のためのホンジュラス国立自治大学修士課程強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening of UNAH on Human Resource Development for Socio-economic Development

対象国名

ホンジュラス

署名日(実施合意)

2020年10月13日

プロジェクトサイト

ホンジュラス国テグシガルパ市

協力期間

2021年2月15日から2025年2月14日

相手国機関名

(和)ホンジュラス国立自治大学
(英)The National Autonomous University of Honduras

背景

近年ホンジュラスは年間GDP成長率4%前後の着実な経済成長を記録している。一方、一人あたりの国民総所得は2019年で2,575USドルと、依然として中南米・カリブ地域ではハイチ、ニカラグアに次ぎ低く、国内貧困率も約6割と高い(2018年、国家統計庁)。所得格差や若年層の雇用創出等も大きな課題となっている。
当該国の長期計画である「国家ビジョン2010-2038」では、「持続的かつ環境保全に配慮し、生産的・機会創出・尊厳ある雇用を促進するホンジュラス」が掲げられており、この方針に資する人材育成が急務である。また、当該国では多くのODA事業を受け入れているが(2018年度659.9百万USドル)、ホンジュラスが受け取ったODAが適切に活用されていないという評価がなされており、適切なプロジェクト管理を行い得るような国際協力に通じた専門人材の育成を急務としている。高等教育におけるこうした国際協力専門人材育成が喫緊の課題となっている一方で、当該国を含め中米域内には国際協力に関して学べる学術機関は存在していない状況であった。このため、ホンジュラス国立自治大学(Universidad National Autónoma de Honduras、以下UNAH)は、上記課題を解決するため、修士課程「国際協力と開発プロジェクト運営管理」にかかるプログラム(MAESTRÍA EN COOPERACIÓN INTERNACIONAL Y GESTIÓN DE PROYECTOS DE DESARROLLO、以下MCIGPD)を2018年5月から開講した。
かかる状況の下、ホンジュラス政府および同大学から、JICAが展開してきた支援の成果やJICAの持つ国際協力分野のネットワークを幅広く活用できるとの観点から、MCIGPDの改善のための協力要請が日本政府になされた。
本事業においては、国際協力分野を専門に持つ大学との連携を通じたプログラム構成への助言および強化、国際協力に携わった経験を持つ講師の派遣、国際協力プロジェクトでのインターンの機会の提供などの支援が求められている。

目標

上位目標

MCIGPD/UNAHが、ホンジュラスの社会経済開発事業の効果的・効率的な実施に資するプロフェッショナルな人材を輩出する。

プロジェクト目標

MCIGPD/UNAHのプログラムが、ホンジュラスにおける社会経済開発事業を担うプロフェッショナルな人材が育成される内容に改善される。

成果

1.MCIGPD/UNAHのカリキュラムが再構成される。
2.MCIGPD/UNAHのプログラムの質が向上し、プログラムマネジメント能力が強化される。
3.教育・研究水準の向上を目指しMCIGPD/UNAHと日本の大学をはじめ、外部組織との交流が促進される。

活動

成果1にかかる活動

1-1.カリキュラムのレビューを行い、目標、成果、課題を整理する。
1-2.日本の開発経験に関する講義の導入を検討し、その結果をカリキュラムに反映する。
1-3.社会経済開発のプロフェッショナル人材に求められているコンピテンシーを行政機関、企業、学術機関、第三セクター等の関係機関と整理のうえ、新カリキュラム案を策定する。
1-4.新カリキュラム案について高等教育諮問委員会の承認を得る。
1-5.新カリキュラムの実施を通じて、結果や提案を報告書にとりまとめる。
1-6.本プログラム改善のためのカリキュラム改訂を含めた長期計画を策定する。

成果2にかかる活動

2-1.カリキュラムに基づき、各科目に到達目標を設定し、シラバスに反映する。
2-2.各科目履修後に学生による満足度評価を実施し、その結果を授業の改善に活用する。
2-3.学生修士研究/修了プロジェクトにかかる計画に基づき、教員が進捗をモニタリングし、指導する。
2-4.日本に派遣されたMCIGPD/UNAHのコーディネーターや教員が日本の研修で得た経験・知見を教育・研究活動に反映する。
2-5.日本の開発経験に関する教材の活用、遠隔による講義実施を含め、教育・研究活動を強化する。
2-6.行政機関、企業、学術機関、第三セクターの協力の下、学生がインターンシップ、プロジェクト形成、開発プロジェクトの視察、実務者による講義などの実務関連経験を積む。
2-7.関係機関に対して、MCIGPD/UNAHの広報活動を行う。

成果3にかかる活動

3-1.日本の大学及び国際協力機関との交流講義(講義、ワークショップ、セミナー等)を計画、実施する。
3-2.MCIGPD/UNAHのコーディネーターや教員が日本国内外の研修で得た経験・知見を報告書やアカデミック・イベントなどで共有し、ホンジュラス国内外の大学との連携を強化する。
3-3.UNAHを代表してMCIGPD/UNAHが国際協力に関する大学間ネットワークに参加し、連携を強化する。

投入

日本側投入

1.専門家派遣(総括、カリキュラム開発/運営、プロジェクト運営)
2.専門家活動経費:プロジェクトスタッフ
3.本邦研修(長期研修及び短期研修)
4.プロジェクト運営上必要なその他支出

相手国側投入

1.カウンターパート(C/P)の配置
2.JICA専門家執務スペースの提供
3.遠隔教育に必要な機材・施設の提供
4.セミナー、フォーラム、ワークショップ等の準備に必要なサポート
5.その他必要な経費