プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)サイバーセキュリティ人材育成プロジェクト
(英)Project for Human Resources Development for Cyber Security Professionals

対象国名

インドネシア共和国

署名日(実施合意)

2018年11月12日

プロジェクトサイト

ジャカルタ市、インドネシア大学

協力期間

2019年5月22日から2024年5月21日

相手国機関名

(和)インドネシア大学、情報通信省(KOMINFO)
(英)University of Indonesia, Ministry of Communication and Information Technology(KOMINFO)

背景

(1)当該国におけるサイバーセキュリティセクターの開発実績(現状)と課題

情報通信技術(Information and Communication Technology。以下「ICT」という。)の重要性増加に比例し、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクも甚大化している。バングラデシュ中央銀行が被害を受けた8100万ドルの不正送金等、重要インフラへのサイバー攻撃が世界各国で確認されており、国家の重要リスクとして認識されている。
インドネシアにおいては、サイバーセキュリティに関する中央政府の担当部門設立やルールの策定は概ね了しているが、民間機関や政府におけるサイバーセキュリティ人材の量・質の不足が行政及び経済団体から指摘されている。研修機会の絶対量が不足していること及びサイバーセキュリティ人材における各役割の定義が曖昧であることがその背景にある。

(2)当該国におけるサイバーセキュリティセクターの開発政策と本事業の位置づけ

情報通信省が2016年に策定したインドネシアサイバーセキュリティ戦略における柱の一つとして、サイバーセキュリティに関する意識改革及び産業界のニーズを踏まえた人材の育成を、高等教育機関を通じて輩出することが計画されている。また、電力、交通、金融をはじめとする8分野を重要情報インフラ(Critical Information Infrastructure。以下「CII」という。)に指定し、サイバーセキュリティ対策の重点としている。
本協力は、インドネシア最高峰の大学の一つであるインドネシア大学においてプロフェッショナル(実務者)向けサイバーセキュリティ教育システムを立上げることで、CII分野を中心とする民間機関や政府に対してサイバーセキュリティ人材を持続的に供給するものである。

目標

上位目標

インドネシアの政府や民間機関におけるサイバーセキュリティ対応能力が強化される。

プロジェクト目標

インドネシア大学において産業界のニーズを踏まえたプロフェッショナル向けサイバーセキュリティ教育システムが強化される。

成果

1.インドネシア大学において世界水準のプロフェッショナル向けサイバーセキュリティ教育が提供される。
2.産業界のニーズを踏まえたオープンソースサイバーセキュリティツールが開発される。
3.オープンコースウェアが開発され、公開される
4.中・長期的なカリキュラムへの参加者・協力者拡大を目的に、諸外国との間でサイバーセキュリティに関するネットワークが強化される。

活動

成果1

1-1.NICE, SecBoK等、他国におけるICTスキル標準に関する事例が研究される。
1-2.包括的で最新のサイバーセキュリティ関するカリキュラムが設計される。
1-3.上記カリキュラムに基づきシラバスが設計される。
1-4.講師への必要なトレーニングが行われる。(民間企業のゲスト講師を含む)
1-5.長期コースのコンポーネントとなる短期のサイバーセキュリティコースが設立される。
1-6.必要なタイミングでコースに関係する活動が見直される。

成果2

2-1.既存オープンソースサイバーセキュリティツールに関し、調査する。
2-2.インドネシアにおけるサイバーセキュリティツールへのニーズについて調査する。
2-3.上記調査を踏まえ、最適なツールをローカライズする、あるいは開発する。
2-4.上記ツールの導入を支援する。

成果3

3-1.カリキュラムのうちオープンコースに適した科目を選別する。
3-2.該当科目のオープンコースウェアを開発する。
3-3.開発されたオープンコースウェアをリリースする。
3-4.必要なタイミングでユーザからフィードバックを集め、コースウェアを改善する。

成果4

4-1.他国(ASEAN加盟国等)を対象とした研修を戦略的に実施する。
4-2.国内外の機関を通して成果を発信する。

投入

日本側投入

1.専門家(チーフアドバイザー、業務調整/サイバーセキュリティ、カリキュラム策定、科目策定広報計画)
2.研修(現地研修、第三国研修)
3.機材(ソフトウェア等)

相手国側投入

1.カウンターパート
2.執務環境等