プロジェクトニュース第12号

2021年8月10日

OJTレポート SHEP Bizの活動説明会に同行しました!!

はじめまして。
ケニアのSHEP BizプロジェクトでOJTとして働いております、武田翔吾と申します。

今回は、7月中旬にメル・カウンティとタラカニティ・カウンティで実施した活動説明会の様子をプロジェクトニュースでお届けします。

各地域の農業行政官、普及員、農家グループの代表者の合計20人程度の参加者に対して、SHEP Bizの概要や今後の活動予定を説明する活動説明会が地域ごとに計4回行われました(1カウンティにつき2地域がプロジェクトの対象)。

SHEPプロジェクトは過去3回にわたってケニアで実施されているため、参加者の多くはSHEPの評判をある程度聞いており、期待と不安を併せ持って参加していました。

活動説明会は、「grow and sell to grow to sell」(作ってから売るのではなく、売るために作ろう!)という標語の復唱で始まります。

農業普及のための人員や予算が十分ではない普及員たちにとって、「モノの供与ではなく連続的な研修によって、農家の自立を促す」というSHEPのコンセプトは新鮮だったようで、「そうはいっても、多くの農家へ広めるには普及員が足りないよ」という懸念も挙げられました。

しかし研修担当の農業省の職員は粘り強く、普及員から農家、農家からまた別の農家へ伝播する普及活動の可能性を説明します。

地方の普及員が置かれている厳しい環境は、中央の農業省の職員も十分わかっています。
そのうえで、地道な普及活動こそが小規模農家を支えるという認識を共有し、普及員たちは6~7時間にわたる説明に最後まで真剣な面持ちで参加していました。

ケニアの農業普及は、構造調整や地方分権など、国家レベルでの方向転換があるたびに大きな影響を受けてきました。
それらの経験から、農家が自立することの必要性を誰よりも痛感していたであろう中央・地方の農業普及員の方々の期待と意欲が、粘り強い普及活動となってSHEPプロジェクトの成功を支えているように感じました。

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SHEPプロジェクトの背景の説明

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SHEPのコンセプトの一つである「情報の非対称性の緩和」の説明の様子

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研修を実施したチュカ・サブカウンティの施設