プロジェクトニュース19号

2022年3月18日

小山短期専門家の業務完了報告会を行いました!

2022年3月1日に園芸作物の小山短期専門家の業務完了報告会を開催しました。小山専門家は、農業普及実施主体であるカウンティ政府がSHEPアプローチを活用した農家支援を持続的かつ効果的に実施できるよう、普及員技術強化研修と教材の改善策提案を目的に派遣されました。1月15日から3月4日まで、カウンティ農業普及員に対する普及員技術強化研修の円滑化支援、カウンティ農業普及員による農家グループ現地研修のモニタリングを行いました。

報告会では、小山専門家から主に3つの提案が示されました。1つ目は、農家ニーズに基づいた普及指導の強化です。プロジェクトでは、今までも農家グループが選定した作物に応じて普及員研修の内容を変えるなどの対応をしていましたが、さらに詳細な農家ニーズを既存情報から読み取り、普及活動に活かしていく方針です。具体的には、ベースライン調査で確認した20項目の農業生産工程について、農家の採用率が低い生産工程(農家の弱み・ニーズ)により集中した研修を実施すること、選定作物ごとに農家グループが作成した問題地図について、サブカウンティ農業担当官がその問題を分析し、各作物の中心課題を抽出することが提案されました。プロジェクトでは、カウンティ農業普及員が農家グループの課題解決に向けて議論するセッションを普及員技術強化研修に取り入れる予定です。

2つ目は、栽培カレンダー作成のタイミングです。現在、農家が市場調査を行い、作物選定した後、普及員による農家現地研修で栽培カレンダーを作成しています。市場調査と栽培カレンダー作成は、異なる普及員研修のトピックであったため、作物選定後、栽培カレンダーを作成するまでに2か月程度の期間が空いていました。栽培カレンダー作成を市場調査と同じ普及員集合研修で実施することで、市場調査による気づきと作物の自己選択による農家のモチベーションが高いタイミングで、具体的な栽培計画を作成できます。また、栽培カレンダー作成のタイミングを早めることで、普及員が栽培カレンダーに合わせた農家現地研修をスケジュールできるようになるなどのメリットも期待できます。

3つ目は、普及員技術強化研修のプログラムおよび教材の改訂です。具体的には、生産工程に関するビデオ教材の積極的な活用や、優良種子や肥料の実物サンプルを見せるなど、農家現地研修で普及員が使える指導方法を増やすことを目指します。また、研修教材のソフトデータに目次を挿入し、目次から参照するページに飛ぶようリンクを設定することにより、普及員が現場で活用するタブレット上で、容易に必要な情報にアクセスできる方法も提案されました。

カウンターパート(農業省職員)からは、いずれの提案も普及員の技術指導を向上するうえで欠かせないものであり、第2バッチ対象の研修で実践したいとコメントがありました。今後は、作物担当のカウンターパートが中心となり、小山専門家の提案を基に、必要な研修準備を進めていく予定です。

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小山短期専門家の業務完了報告会の様子

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小山短期専門家が参加した農家現地研修の様子