プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)乳品質向上のための食品検査人材育成プロジェクト
(英)Project on Improvement of Human Resources in Food Laboratories for Improvement of Quality of Milk and Dairy Products

対象国名

キルギス

署名日(実施合意)

2018年10月9日

プロジェクトサイト

ビシュケク及び選定された地域
(チェイ州、イシククリ州及びオシュ州を想定 (注)ベースライン調査後検討予定)

協力期間

2019年4月19日から2022年10月18日

相手国機関名

(和)経済省、保健省、獣医衛生検査院
(英)Ministry of Economy(MOE), Ministry of Health(MOH), State Inspectorate on Veterinary and Phytosanitary Security(SI)

背景

キルギスは、2015年8月にユーラシア経済同盟(EAEU)の加盟国となり様々な制度を順守しなければならず、乳製品の品質や製造プロセスの安全性についても同経済同盟が定める基準を満たす必要がある。しかし、現状ではそれらの基準を満たしておらず、乳・乳製品の品質及び安全性確保とそのための検査体制の整備が急務となっている。そこで、キルギス政府からの要請を受け、JICAは「乳・乳製品の品質及び安全性検査マスタープラン(M/P)」プロジェクト(2015年8月~2017年1月)を実施し、5つの優先プロジェクトを選定した。
本M/Pの結果を受け、キルギス国内及びEAEU加盟国内にキルギスで生産された乳・乳製品を流通させるための国家認証システム(適合性評価システム)構築のため、キルギス政府は、乳・乳製品フードバリューチェーン各段階の検査を担当する3省庁(経済省、保健省及び獣医衛生検査院)の検査機関を対象とし、検査の信頼性確保と検査機関の人材育成を目的とした本事業の協力を我が国に要請した。
本プロジェクトは上記M/Pで選定された5つの優先プロジェクトのうち2つ(食品検査体制の近代化とHACCP導入)を含むものである。

目標

上位目標

品質と安全性が確保されることにより、ユーラシア経済同盟(EAEU)域内におけるキルギスの乳・乳製品流通が増加する。

プロジェクト目標

EAEU技術規則に沿ったバリューチェーンにおける乳・乳製品の品質及び安全の適合性評価が行われるシステム(検査所における検査・監査活動)が開発される。

成果

1.実施機関の間で本案件における詳細活動及び実施体制について協議し、合意する。
2.獣医衛生検査院(SI)獣医診断検査センター(CVDE-NR)及びその地方検査所において、生乳の安全性の適合性評価システム(技術及び人材面)が開発される。
3.保健省疾病予防衛生疫学監督部(DPSSES)及びその地方検査所において、乳・乳製品並びに製造工程における安全性の適合性評価システム(技術及び人材面)が開発される。
4.経済省度量衡センター試験認証センター食品検査所(CSM)及びその地方検査所において、 乳・乳製品並びに製造工程における品質の適合性評価システム(技術及び人材面)が開発される。

活動

活動1

1.0.計画策定に要する情報及び評価に係る情報収集のためのベースライン調査(プロジェクト開始当初の6か月)及びエンドライン調査(プロジェクト終了3か月前)を実施する。
1.1.各検査機関の役割、強化されるべき検査項目の優先度、検査スタッフ及び工場監査員のための研修計画等を協議・合意するためのプロマネ(PM)を中心とするWGを確立する。
1.2.キルギス及びEAEUの法規制及び技術規則を確認し、WGにて対応策を検討する。
1.3.キルギスの法制度・基準へ反映させるために、プロジェクト活動結果に基づく提言を取りまとめる。

活動2(for CVDE-NR and SI)

獣医衛生検査員向けHACCP研修

2.1.HACCP原則に基づく食品工場監査員向け研修プログラムを開発する。
2.2.食品工場監査のためのトレーナー研修(TOT)プログラムを開発する。
2.3.HACCP原則に基づく食品工場監査を試行する。
2.4.TOTシステムにリンクした食品工場監査員研修システムを確立する。

ラボスタッフの能力強化(build)及び信頼性の向上

2.5.内部品質管理の改善

ラボスタッフの能力強化(build)及び信頼性の向上

2.6.目的に沿った検査技術の開発と実施を行う。
2.7.妥当性が確認され又は検証された有効な手法に基づく検査技術の開発と実施を行う。
2.8.検査技術の改善と不確かさ評価の活用
2.9.TOTプログラムにリンクしたラボスタッフ研修プログラムを開発する。

活動3(for DPSSES)

食品衛生監査員向けHACCP研修

3.1.HACCP原則に基づく工場監査研修プログラムを開発する。
3.2.HACCP原則に基づく工場監査のためのTOT研修プログラムを開発し、監査を試行する。
3.3.TOTプログラムにリンクした食品工場監査研修プログラムを開発する。

食品工場向けHACCP導入プログラム

3.4.HCCP導入~食品安全認証までの段階的研修システムを開発する。
3.5.食品安全性管理システム(FSMS)の確立

ラボスタッフの能力開発と信頼性の構築

3.6.内部品質管理の改善
3.7.目的に合った検査技術を開発し実施する。
3.8.妥当性が確認され又は検証された有効な手法に基づく検査技術の開発と実施を行う
3.9.検査技術の改善と不確かさ評価の活用を行う。
3.10.TOTプログラムにリンクしたラボスタッフの研修プログラムを開発する。

活動4(for CSM)

ラボスタッフの能力開発と技術の信頼性構築

4.1.内部品質管理を改善する
4.2.目的に合った検査技術を開発し実施する。
4.3.検証された又は(立証された)有効な手法に基づく検査技術の開発と実施を行う
4.4.検査技術の改善と不確かさ評価の活用を行う。
4.5.TOTシステムとリンクしたラボスタッフ研修プログラムを開発する。

投入

日本側投入

・長期専門家:チーフアドバイザー
・コンサルタント専門家((1)技術総括/食品安全管理/研修/プログラム設計/ラボ経営指導、(2)業務調整、(3)HACCAP導入、(4)内部精度管理、(5)理化学検査技術、(6)微生物検査技術、(7)市場調査)
・カウンターパート研修:本邦研修
・資機材供与:検査用試薬等のリファレンスマテリアル
・プロジェクト活動経費

相手国側投入

カウンターパート(C/P)の配置

JCCチェアマン:経済省副大臣
プロジェクトディレクター(経済省技術規則・度量衡部部長)
プロジェクト副ダイレクター(保健省疾病予防衛生疫学監督部部長)
プロジェクト副ダイレクター(獣医衛生検査院院長)
プロジェクトマネージャー(経済省2名、保健省2名、獣医衛生検査院2名)
カウンターパートスタッフ(上記3機関の検査及び監査スタッフ)

事務スペースの提供(経済省内)