MA-SHEPが第2バッチ対象地域でジェンダーモニタリングを第3バッチ対象地域でジェンダー基礎調査を実施しました。

2019年11月1日

2019年10月15日から18日までの3日間、山口国際協力専門員(ジェンダーと開発)がMA-SHEP専門家とカウンターパートとともに第2バッチ活動実施県におけるジェンダー啓発研修実施後のモニタリングを実施しました。ムズズ及びカロンガ地方農政局が管轄するルンピ県とカロンガ県において、ジェンダー啓発研修後の対象農家グループによるジェンダー関連活動の実施状況及びその成果を調査・確認することが主な目的です。

対象農家グループに対するフォーカス・グループ・ディスカッションでは男性と女性に別れて実施しました。世帯、グループともビジョニングVisioning(3年後のビジョンとその達成に向けた各年の目標と活動を絵でかきながら視覚化すること)を行い、「ビジョン」達成のための活動を行いました。また、MA-SHEPによるジェンダー啓発研修への参加を通して、対象農家グループ男女メンバーは機会、制約、ニーズ/ビジョン、役割/責任、意思決定に関して男女で違いがあることを理解し、世帯内やグループ内で機会を男女に平等に振り分けたり、役割/責任を男女で分担したり、意思決定を男女共同で行うようになりました。例えば、農作物を販売して得た利益を男女が話し合い、支出するものを決定していることが確認でき、ソーラーパネルやテレビのスクリーンなどが世帯内で話し合い購入されるなどのインパクトが発現していました。このように意思決定を男女共同で行うようになっている事例もあれば、一方では男性優位の事例も確認されました。

その後、2019年10月20日から23日までの3日間、山口国際協力専門員(ジェンダーと開発)がカウンターパートらとともに、これから活動を実施する第3バッチ対象地域におけるジェンダー基礎調査を実施しました。南部のブランタイヤ及びシレバレー地方農政局が管轄するムワンザ県とンチシ県において、対象地域におけるジェンダー課題を把握し、2020年3月に実施予定のジェンダー啓発研修(ToT)教材の改訂が主な目的です。

対象農家グループに対するフォーカス・グループ・ディスカッションでは男性と女性に別れて実施しました。対象農家グループ男女メンバーは機会、制約、ニーズ/ビジョン、役割/責任、意思決定に関して男女で違いがあることを理解していることが分りました。その一方で、意思決定を男女共同で行うまでには至っていないようです。例えば、農作業の場合、播種から収穫までは男女共同で実施しているのですが、販売は主に男性が担当し、現金収入を得た後の支出は男性が管理していることが分かりました。今後のジェンダー活動の留意点としては「意思決定の男女共同」が挙げられます。プロジェクトとしては農作物を販売して得た利益を男女が話し合いながら支出を決定していくことを促し、農家のやる気を高める計画です。

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家庭内での話し合いの結果、農作物の販売利益でソーラーパネルを購入した農家(カロンガ県)

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女性グループメンバーへのフォーカスインタビュー(ルンピ県)

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ムワンザ県農業事務所での聞き取り調査