MA-SHEPが課題別研修「アフリカ地域市場志向型農業振興(行政官)」在外補完研修を実施しました。

2019年12月3日

2019年11月26日から28日までの3日間、アフリカ12か国、22名の行政官を招いて在外補完研修を実施しました。1日目はマラウイでのSHEPアプローチ活動の経緯と取組み、進捗、課題等が紹介されました。これまでの成功要因として、「たとえ予算が少なくとも、小規模の範囲で出来るところから始めたこと、行政官や普及員の熱意・意欲が重要であること」が挙げられました。これに各国から参加している行政官は大きく刺激を受けている様子でした。その後、市場調査の講義と演習を通じて、市場のニーズや必要な情報の集め方を学びました。

2日目は現地視察です。マラウイの首都リロングウェから車で約1時間程度のドーワ県に行きました。午前中は県農業事務所から同県によるMA-SHEPの活動内容、農家レベルでのインパクト発現などが説明されました。午後は、対象農家グループを訪問しました。ある参加者が「これまでとても順調に活動され、経済的な便益も発現していることが分かりました。今後の課題は何ですか?」と質問すると、男性農家は「市場と売り先です。流動的な市場のニーズを的確に掴み、売り先を確保した上で栽培することに尽きます」と答えました。とても誇らしく思います。さらに、女性農家は、「ジェンダー啓発研修への参加を通して、男女の意見の違いや考え方の違いなどを共有しながら3年先の目標を作りました。そのおかげで、市場調査から、生産活動、そして、販売して得た利益も家庭内で話し合うようになり、化学肥料や自転車を買うことができました。」と話してくれました。彼女の生き生きとした顔つきと堂々とした説明に各国からの参加者も大きく頷いていました。

3日目は市場調査を基にした栽培作物の選択方法、市場のニーズに合わせた栽培カレンダーの作成方法を実践的に学びました。午後は、各国の行政官が日本で作成したアクションプランのコンサルティングです。各国でSHEPアプローチがより実践的にできるようなアクションプランを一緒に考えていきました。

マラウイでの在外補完研修は「SHEP100万人」を目指す上で、引き続き重要な役割を担うものであり、SHEPを通じた小規模農家のエンパワメントのため更なる貢献ができればMA-SHEPチームとしても嬉しいです。

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プロジェクトマネジャー(Mr. Pearson Soko)によるMA-SHEP実施による効果・便益の説明

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市場調査の演習

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ドーワ県東部対象農家への視察

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研修終了後の記念撮影