全国MA-SHEPワークショップを実施しました。

2020年3月5日

2020年3月4日から5日までの2日間、全国の地方農政局及び県農業事務所はじめ、農業関連プロジェクトや大学などのステークホルダーなどが集まりこれまでの成果や課題などを話し合う全国MA-SHEPワークショップを開催しました。今回は成果をあげている農家も招待し、合計123名が参加しました。このワークショップは今年で3年目となり、過去と比べ、プロジェクト対象内外の各県からより多くの具体的な成果が報告されました。

1日目は主に第1・2バッチ対象県からの発表でした。第1バッチ対象県では初年で選定した農家グループがこれまでの慣習的な営農から売るための農業を実践していること、栽培面積を増やしていることが発表されました。また、ジェンダー研修を通じて世帯で協力して農業を取り組むことになったこと、収益は夫婦で話し合い農業活動への再投資や農業以外の収入源を確保した事例などが挙げられました。また、2年目は県の予算を活用して対象農家グループを増やしている事例も確認されました。第2バッチ対象県でも既に農家レベルでのインパクトが発現していることが発表されました。例えば、北部に位置するルンピ県の農家さんは小さい耕地面積を有効に活用しトマトを年2回収穫し、収益で中古車を購入した事例が発表されると会場からは賞賛と驚きの声が交差していました。

2日目はプロジェクト対象外の県とステークホルダーも加わり、これまでの成果を共有するとともに、対象農家さんを招聘して、活動報告と変化を発表してもらいました。例えば、対象農家のエミリ=ムブナさんはMA-SHEP活動を通じて家庭がどのように変化していったかを説明してくれました。ジェンダー研修の成果として、旦那さんは彼女に何を栽培したら良いのか聞いてくれるようになったこと、収益は2人で話し合い、新居建設、エンジンポンプ購入や子供の学費などに使っていることなどが報告されました。

その一方で、MA-SHEP活動はまだ道半ばです。各県の担当者からは「農家さんによっては援助によって何かを貰えるのではないかと期待している場合も散見される」とのコメントが挙がっていました。プロジェクトマネジャー(ソコさん)は、何かに依存するのではなく、農家さんが考えて行動することが重要であると述べています。最後に、農家さんの所得向上を目標に、各県の担当者・関係組織と協力してMA-SHEPを前進させていくことが皆で確認され、実りのあるワークショップとなりました。

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うまくいった・いかなかったMA-SHEP活動についてグループ発表

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MA-SHEP活動による成果を発表するコタコタ県チツァンゾ灌漑グループの農家エミリ=ムブナさん

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木藤マラウイ事務所長による開会の挨拶