モンゴル競馬を支える獣医師達

2017年7月27日

モンゴルでは国民的スポーツとも言える競馬。7月に開催される国の武術大会であるナーダム祭でも競馬が行われ大変盛り上がります。子供ジョッキーが馬にまたがり長距離を走りぬく姿は、モンゴル遊牧民の伝統と強さを感じさせます。

モンゴルで大人気の競馬ですが、実は競走馬に関する研究・調査はまだまだ立ち遅れています。競走馬がどのくらいの体力や実力を有しているのか、どのようなコンディションの場合に好成績を残すのかなど、競走馬を育成するためのデータが不足しているため体系的な調教方法、育成方法が確立されていません。(もちろん、遊牧民の豊富な経験を基にした育成はなされておりますが。)

そこで、本プロジェクトの羽田専門家が競走馬の心拍数の測定とその解析方法をモンゴル生命科学大学獣医学部の准教授達にレクチャーしました。実際に郊外へ赴き、競走馬10頭についてトレーニング中の心拍数を測定しました。すると、モンゴルの競走馬は体力、回復力ともに高く、最高時速は50km/hを超えていることがわかりました。これはモンゴル初の実態調査であり、これからより多くのデータを収集し研究が進められることが期待されます。

このように、国の主要スポーツである競馬を支える獣医師を育成することも本プロジェクトの活動の一環となっており、今後のモンゴル競馬の発展がますます楽しみです。

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ナーダム祭の子供ジョッキー

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心拍計の使用方法を解説する専門家

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競走馬の心拍数計測の様子