2018年度、教育研究グループ成果発表会の開催

2018年10月26日

教育・研究グループとは、本プロジェクトの社会人獣医師・研究者の技術能力を強化するため募集下で4つの獣医関係機関から選ばれた8つのグループのことです。2016年と2017年度の研究成果を2017年の10月12日に、そして2018年度の研究成果発表会をこの度2018日10月26日に行いました。発表会当日には約70名の大学関係者、研究者、社会人獣医師、そして多くの学生が来場しました。発表は昨年同様に全て英語で行われ、北海道大学獣医学部教授・准教授であるJICA専門家4名によって内容は厳格に審査されました。

昨年からの進展が顕著であったのは今年も最優秀教育研究に選出された「豚コレラ教育研究グループ」であり、モンゴル製豚コレラワクチンは推奨接種量の2倍の量を接種することで初めて十分な免疫が得られることを実証しました。今後、推奨量の2倍の接種に関し、1回の接種と2回に分けた接種のどちらがより有効であるか、豚を用いて実証研究していきます。

次に注目を浴びたのは準優勝の「重金属教育研究グループ」の鉱山開発による重金属汚染に関する研究でした。また、今回は最下位でしたが「馬の鼻疽教育研究グループ」も今後大きく期待できそうです。というのも、同感染症は人獣共通感染症の一つであり、通常であれば感染後数週間で死に至る病気です。しかし、近年当国では鼻疽陽性反応はあるが症状がない馬が観察されており、当該分野におけるさらなる研究が必要とされています。

最後に、各グループによる活動の持続性を念頭においた自助努力をご紹介します。本プロジェクトで支援している教育研究グループは、モンゴル国の主な獣医関係組織で構成されていますが、プロジェクト終了後も自発的に研究を継続することが求められます。これまでプロジェクトでもそれを念頭に支援を行ってきましたが、この度前述の豚コレラ教育研究グループが、その功績と将来性を認められ2019年度の研究予算をモンゴル政府から給付されることになりました。これは、カウンターパート自らプロジェクト成果をもってモンゴル国政府に働きかけるという大きな一歩を踏み出した結果です。

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第5位の食品残留抗生物質教育研究グループの発表

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第8位の馬の鼻疽教育研究グループの発表

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質疑応答の様子

【画像】成果発表後の集合写真