4月23日オンライン会議を開きました

2020年5月25日

モンゴル生命科学大学獣医学部は、1月25日から新型コロナウイルス感染症対策の影響で、登校が禁止され、学生全員が自宅でオンライン授業を受けています。

日本・モンゴル間の飛行機は2月下旬よりストップしてしまい、3月派遣予定だった昆先生、野中先生、市居先生、4月に派遣予定だった伊藤先生、迫田先生、5月プロジェクト終了時に派遣予定だった梅村前チーフアドバイザーの渡航が中止になりました。また、JICAの退避帰国指示により4月初めに多田プロジェクトチーフアドバイザーも日本に帰国されました。

伊藤先生及び迫田先生には、改訂科目別カリキュラム・シラバスの実施状況やこれからの改善点等をアンケート調査やインダビューによりモニタリングしていただき、今後の課題・改善点等について提言していただく予定でしたが、現地派遣ができなくなっていました。

このため、北大迫田先生、伊藤先生のご自宅、多田チーフのご自宅、モンゴルのプロジェクトオフィスを繋ぎオンライン会議を実施し、12月に実施した学生アンケート、3月に実施し全教員に対するアンケート結果等をもとに、獣医学部の幹部教員との間でインタビューと意見交換を行いました。プロジェクトオフィス側では、公衆衛生学、基礎獣医学、感染症学、非感染症学の各講座長、学部長、副学部長、教務課長が、3回に分けて参加しました。

初めての試みでしたが、音声も途切れることもなく画面も綺麗で、プロジェクトのガンゾリクさんとバトウヤンガさんの的確で流暢な通訳もあり、有意義な会議となりました。会議では、改訂カリキュラムシラバスについての他、両大学で取りいれているオンライン授業についての情報交換、今後このような形での技術移転や、共同研究を継続させる可能性について話し合いました。熱心な話し合いは、会議前後の打ち合わせを含めて約4時間に及びました。会議の後、伊藤先生と迫田先生にはコメントおよび提言をまとめていただき、獣医学部全教員に伝達し、周知を図りました。

モンゴル生命科学大学獣医学部に向けた提言は、以下の通りです。

1.科目別授業に変更してから3か月しか経っておらず新カリキュラムの授業に対する学生の意見聴取にはもう少し時間が必要である。このような学生アンケート調査を毎年行えば、獣医学教育に関する学生の意見を継続的に知ることができ、学部教育改革の大きな原動力になる。定期的に学生アンケート調査を行うべきである。
2.シラバス冊子体(シラバス1)に加えて、各授業の講義内容をまとめたシラバス2を作成し、これをHPなどに公開し学生と教員が閲覧できるようにすべきである。
3.シラバスは学生と大学の契約書のようなものであり、その利用方法などを学生に説明する必要がある。
4.教育改革を進めるためには学生による授業評価は極めて重要であり、各科目が終了した時には学生による授業評価を実施すべきである。全科目の授業評価結果を毎年まとめて学生と教員に公表すべきである。
5.SVMで導入している学習管理システムGoogle classroomの活用を進めることにより、学生へのシラバスの周知、授業・実習の資料の掲載、小テストの実施、授業評価アンケートの実施とその公開などがより円滑に進むと期待される。何人かの教員が中心となってSVMの教員すべてがGoogle classroomを使いこなせるようになるための研修会を実施することを推奨する。次期プロジェクトで実施予定の社会人獣医師の教育にも活用することができる。
6.コロナウイルス感染症の問題が急速に改善することは考えにくいので、モンゴルおよび日本側の教員はこれまでの連絡や協力を止めることなくZoomなどのテレビ会議システムを有効に利用し、遠隔操作で効果が期待できる協働作業を模索する必要がある。

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アリマ-非感染症講座長及びホロルマー基礎獣医学講座長

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ニャムオソル公衆衛生学講座長及びエルデネオチル感染症学講座長

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オチルフー副学部長、ゴンボジャブ学部長及びオトゴントゥクス教務課長

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画面キャプチャ