獣医・畜産分野人材育成能力強化プロジェクト終了を迎えて

2020年5月26日

モンゴル生命科学大学獣医学部長
A.ゴンボジャブ

「獣医・畜産分野人材育成能力強化プロジェクト」は、食料の安全性、貿易分野及び国民の健康を守るという責任ある獣医師を育成する獣医学部において6年間にわたり実施され、以下の結果を得ました。

1.最新機器の供与に伴い教員及び学生の学術・研究レベルが向上したほか、国際雑誌にも論文が掲載され、博士、修士の学位を取得する学生の数も増加した。

2.国際的な大学で使用されている本や教科書が供与されたほか、当教材を使用するために、プロジェクトの現地技術分野支援要員と獣医学部教員の協力により、日・蒙・英獣医学用語辞典が作成された。

3.人材能力強化の目的で、日本及び他国において、専門分野の若い教員達に博士学位を取得させたほか、その他の教員も短期間、長期間で日本での研修に参加した。留学や研修を終えて獣医学部に戻ってきた教員達は、現在積極的に研究を続けている。

4.国際標準の獣医学カリキュラム・シラバス及びモンゴルの獣医・畜産分野の特徴を取りいれた新しいカリキュラム・シラバスを作成し、実際に獣医学部のカリキュラムに導入したことにより、今後国際的に活躍できる人材能力を強化する準備が整った。

5.社会人獣医師達の能力強化を目的とした教育研究グループを作り、獣医学部、獣医学研究所、中央ラボラトリー、ウランバートル獣医局といった獣医関係機関を繋げて協力する機会を与えてくれたほか、地方獣医師等向けにそれぞれの特徴にあった研修を実施してくれた。これはもうすぐ始まる、公務員獣医師及び民間獣医師実践能力強化プロジェクトの基礎にもなっている。

これらに全面的に支援協力してくださった北海道大学の教授及び教員の方々、プロジェクトスタッフ、JICA本部及びJICAモンゴル事務所の皆様、日本及びモンゴル政府代表の皆様に対し、獣医学部の全生徒、全教員、卒業後獣医として勤務している全獣医師を代表し、感謝の意を表します。

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A.ゴンボジャブ モンゴル生命科学大学獣医学部長