モンゴルの春−マダニのお話その1

2017年5月26日

モンゴルにも春がやってきました!日本で春と言えば桜の季節ですが、モンゴルで春と言えば、獣医学研究者にとってはマダニの季節です。極寒のモンゴルでマダニ?と思うかもしれませんが(実際、筆者も思いました)、マダニは変温動物であり、気温が下がると活動が鈍くなって、代謝が低下して休眠状態になります。なので、凍え死ぬわけではないのだそうです。そして春になって気温が暖かくなるにつれマダニの活動が活発になり、飛ぶこともジャンプすることもできませんが、背の高い草木に上がって、動物が通るのをじっと待ちます。マダニについては5月1日に更新したプロジェクトニュースにも記載しましたが、家畜伝染病のピロプラズマ病を媒介します。そのため、マダニの生態やピロプラズマの保有を調べることは、ピロプラズマ病に対するより効果的な予防法の確立に繋がるため、獣医学研究所の研究者たちは、春になるとマダニ収集のためのフィールド調査に出かけるのです。(つづく)

【画像】

日本の桜?…ではなく、ゴビ砂漠に咲く桜と同種の花。木ではなく藪に咲くので、ちょうど桜と芝桜の中間くらいの背丈。

【画像】

マダニを探す獣医学部研究者たち。

【画像】

背の高い草に群がるマダニ。