SATREPSクロージング・セミナーの開催

2019年5月7日

2014年6月から開始されたモンゴル初のSATREPSプロジェクト、来月5月末に終了となります。この5年の間、モンゴル21県全てで疫学調査を実施、20,000個近い血液サンプルと10,000匹近いマダニを採取することができました。これも、全国に散らばる地方獣医師たちの協力のおかげです。

そこで、協力頂いた各県の地方獣医師たちを招待し、皆さんの協力がこのようなプロジェクトの成果に繋がりましたということを発表するSATREPSクロージング・セミナーを4月18日(木)~19日(金)の2日間に渡り開催しました。4月18日(木)の午前中は、パブリック・オープン・セミナーと題し、地方獣医師だけでなくウランバートルの各関係機関も招待。農牧省や獣医庁を始めとする省庁機関だけでなく、競馬・調教師協会やV.E.T.Netなど国内外のNGO団体を含む約80名が参加し、プロジェクトの概要と成果を発表しました。

4月18日(木)の午後からは、各県からの地方獣医師42名と国家中央獣医ラボとウランバートル市獣医局からの4名を合わせた計46名に対し、プロジェクトが取りまとめた4つの原虫病に対するガイドライン、簡易迅速検査キットであるICTやELISA診断法の実践的な紹介、そしてトリパノソーマ病の馬の病理解剖など当プロジェクトの幅広い成果を発表しました。

参加した獣医師たちは皆寄生虫の専門家と血清の専門家というペアだったのですが、この2つの分野のセミナーが開催されたのは10年以上ぶりということで、最新の知識や技術を学べたことは非常に有意義であったとの感想が寄せられました。また、皆さん非常に熱心で、2日目は質問が相次いだため、17時終了予定が19時過ぎに解散と2時間以上も予定をオーバーしてしまいました。

プロジェクト・ディレクターのBattsetseg所長とプロジェクト・マネージャーのBattur上級研究員からは、今後ICTやELISA検査キットが県レベルでも入手可能になることから、今までIVMが直接実施していた疫学調査や検査を、ぜひ県レベルで実施し、疫学調査マップを県の獣医局がアップデートできるようになって欲しい…という将来の夢が語られました。本当に、そのような形で当プロジェクトの活動が、将来的にモンゴル全土に根付いていくことを期待しています。

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4月18日(木)午前に開催されたパブリック・オープン・セミナー。

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4月18日(木)の午後は、地方獣医師に対しガイドラインについて発表した。

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4月19日(金)、2日目の病理のセミナー。

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ラボでの実践的な説明。

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セミナー参加者1人1人に手渡された修了書。

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セミナー終了後のグループフォト。