フブスグル県で研修を開催しました

2017年3月29日

2016年10月、本プロジェクトのパイロット県として、フブスグル県が選定されました。フブスグル県はウランバートルから西に800キロ、人口約13万人の県です。針葉樹林に囲まれたフブスグル湖は、世界でも2番目に透明度の高い湖と言われ、観光地としても人気を集めています。プロジェクトによる介入以前の同県の状況を把握することを目的としたベースライン調査もほぼ完了したことから、その結果も踏まえ、フブスグル県でのプロジェクト活動を本格的に開始しました。

まず、2017年3月13〜15日、2校のパイロット校Titem第2学校、Ireedui21世紀統合学校、県の中心部Murunに立地する学校の教員、幼稚園教諭等を対象に研修会を開催しました。研修会の主な目的は、ウランバートルの特別学校とプロジェクトが共に開発した個別教育計画(IEP)フォーマットやマニュアルを活用して、同計画の意義や作成方法を紹介することでした。ウランバートルから教育研究所専門家、第25特別学校及び第55特別学校学習マネージャーも赴き、フブスグル県教育文化局専門家、プロジェクトの「特別支援教育」担当専門家とともに研修会の講師を務めました。
また、3月28〜29日には、障害の早期発見に携わる医療関係者、幼稚園や児童預かりサービス事業者、その他の関係者を対象とした研修も開催しました。障害児の保健・教育・社会保障委員会専門家、支部委員会専門家、リハビリテーション病院副院長、本プロジェクトの「アセスメントツール作成」担当専門家が、モンゴルでも用いられている母子健康手帳の正しい活用方法や、障害を早期に発見し発達支援に繋げる日本の制度について紹介しました。

概要は以下のとおりです。

日程 主な参加者 研修内容
3月13日
  • Titem第2学校
  • Ireedui21世紀統合学校
学校、授業視察
3月14日 教育文化局、社会政策課、Titem第2学校、Ireedui21世紀統合学校、Murun郡(ソム)の学校、Bayanzurukh, Ulaan uul, Renchinlkhumbe郡校、幼稚園、保護者の会、児童預かりサービス事業所(合計約100名)
  • プロジェクトの紹介
  • 障害の種類と通常学校で行う合理的配慮
  • 個別教育計画策定の意義
  • 個別教育計画の具体的な作成方法
  • 2016年3月の研究授業紹介
  • 本邦研修での学びの共有
3月15日
  • Titem第2学校
  • Ireedui21世紀統合学校
各校、対象児を1人決め、個別教育計画を策定する実習
3月28〜29日 障害児の保健・教育・社会保障支部委員会、社会政策課、保健局、県立病院、家庭医、教育文化局、社会福祉サービス課、子ども家族開発課、幼稚園、学校等(合計約100名)
  • プロジェクトの紹介
  • 発達の遅れや偏りのある子どもの発達支援体制について
  • 母子健康手帳の正しい活用方法
  • 日本における障害児支援体制について
  • 障害児の保健・教育・社会保障委員会の役割

参加者からは、以下のような感想が聞かれ、フブスグル県関係者の熱意を感じました。

  • 郡の学校教員である私たちは、指導の技術を磨き、経験を積んでいきたいという高い意欲を持っています。今後、県の中心部にある学校と共に、プロジェクトの研修、積極的に活動に参加していきたいです。
  • 子どもたちが朝の挨拶をする、上着を脱いでかばんを置く、学習教材を用意する、といった日常的な動作を、学習活動として捉え直し、子どもたちの学びと育ちにつなげていくことの重要性が大変よく分かりました。

また3月14日、28日には地元テレビ局の取材も受け、一般の方々に情報発信する機会にもなりました。

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3月14日の研修会の様子

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地元テレビ局による取材

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3月28〜29日の研修会の様子