2018年1月のニュース2:Pilot Researchの実施

2018年1月31日

Pilot Research研究グループによる以下の野外調査と室内実験が行われました。

1)野外調査

  • 1月2~4日:Yangon県Tonegwa TSにおいて、マメ類の栽培圃場の除草及び農薬散布調査(RB01-1-1)。
  • 1月5, 11, 14日:Nay Pyi Taw特別区のPyinmana TSにおいて、野菜類の栽培状況調査(RB01-1-3)。
  • 1月6~7日:Pyinmana TSにおいて、マメ類の栽培圃場の除草、間引き、農薬散布調査(RB01-1-1)。
  • 1月6, 21, 27日:Nay Pyi Taw特別区のZeya Thiri, Pobba Thiri, Pyinmana, Dekhina Thiri, Ottaya Thiri 各TSに設置したトラップからの水稲害虫の回収と昆虫網による害虫の採集(RB03-1)。
  • 1月24日~2月1日:Mandalay県Nyaung Oo TSにおいて、Baganの青年に対する農業への認識調査並びに外国観光客への景観認識調査(CR-08)。
  • 1月26~31日:Yangon地区におけるリョクトウのサプライチェーン調査(RB01-3)。
  • 1月28日:Pyinmana TSにおいて、ホームガーデン調査のためのサンプル農家を選定(RB01-1-3)。
  • 1月28~31日:Yangon県Tonegwa TSにおいて、Field Peaの収穫、脱穀調査(RB01-1-1)。

2)圃場・室内実験

  • RA-01-1-1(Plant Breeding, Physiology and Ecologyグループ)は、収穫した合計約100品種・系統の農業形質、成長形質、炊飯特性などの調査とデータ入力が終了し、データ解析を開始しました。
  • RA-01-1-2(Agronomyグループ)は、収穫した合計約100品種・系統のうち、27ローカル品種/系統の玄米品質(アミロース含量の測定)の調査が終了し、50の育成系統の玄米品質調査を終了しました。
  • RA-01-2(Soil and Water Scienceグループ)は、RA-01-1グループが収穫した種子の分譲を受け、ポット試験による栄養成長期の耐塩性、耐乾性スクリーニングの準備を行っています。
  • RA-02-1(Plant Pathologyグループ)は、Nay Pyi Taw特別区のZeya ThiriおよびPyinmana TSの水田から採集したイネの主要病害であるイモチ病菌、白葉枯病菌の培養、菌株標本の作製を継続実施しています。また、RA-01-1グループが収穫した水稲73品種・系統の耐病性検定のために播種を行いました。
  • RA-02-2(Entomology and Zoologyグループ)は、RA-01-1グループの収穫した水稲93品種・系統について、圃場栽培による20系統・品種、ポット栽培による全品種を収穫し、メイチュウ(Yellow stem borer)耐性検定を行っています。圃場栽培の系統・品種は、10月の大雨による冠水で多くの系統・品種の収穫が不可能となってしまいました。
  • RA-03-1(Agricultural Economicsグループ)は、収集した既存水稲品種による気候変動に対する農家の対処方法についてのデータ解析と論文作成を進めています。
  • RB-01-1-1(Agronomyグループ)は、Pyinmana TSとYangonのThonegwa TSで収集したマメ類の栽培に関するデータの入力と解析を行っています。また、収集データを基に国際学会(The 9th International Conference on Environmental and Rural Development)での発表準備、論文を作成しています。
  • RB-01-1-3(Horticulture and Agricultural Biotechnology グループ)は、Pyinmana TSで収集した野菜の栽培管理に関するデータの入力と解析を行っています。
  • RB01-2(Soil and Water Scienceグループ)では、採集した80土壌サンプルのMg, Fe, Znの測定を行っています。
  • RB02-1(Plant Pathology)グループでは、線虫検定用の植物育成と根からの抽出物質の採集方法についての文献検索を行っています。
  • RB-03-1(Entomology and Zoologyグループ)では、害虫警戒警報モデル作成に向けて、Nay Pyi Taw特別区に新たに設置した害虫トラップや捕虫網で採集した害虫の同定と個体数の調査を継続しています。
  • RC-01-1(Agronomy)グループでは、収集したデータの入力、解析並びに収集データを基に国際学会(The 9th International Conference on Environmental and Rural Development)での発表準備、論文作成中です。
  • RC-02-1(Horticulture and Agricultural Biotechnology)グループでは、測定を終了したマンゴー果実収穫後の呼吸活性、エチレン生成量等に関するデータの解析と論文作成中です。
  • RC-02-2(Plant Pathologyグループ)では、採集したマンゴー果実からの病原菌の培養を継続しています。
  • CR-04(Plant Breeding, Physiology and Ecologyグループ)は、深水地帯稲作の特殊な移植方法について調査結果を基に論文作成を継続しています。また、同県同TSで採集した品種、栽培方法を異にする収穫期のサンプルについての調査を実施しています。加えて、水稲の冠水抵抗性の品種間差異に関する講演発表をYAUでの研究集会(The 11th Agricultural Research Conference)で行うと共に、プロシーディングスへの論文を準備中です。

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病害虫サンプルの収集(RA02-1 group)

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水田圃場で採集した害虫の同定(RB03-1 group)