郵便番号による区分の訓練の実施

2018年9月13日

2018年8月中旬、ヤンゴン、ネピドー、マンダレーの中央郵便局において、郵便番号による区分の訓練を実施しました。8月15日から23日までの期間で、合計48名の郵便局職員が参加しました。

1.訓練の目的

現在、ミャンマーにおける郵便番号の認知度と記載率は非常に低く、ミャンマー郵便では郵便物に記載された住所を見て区分作業を行っています。差出人の住所の記載内容が不十分だったり、同一町内で複数の郵便局が配達をしたりしていることが原因となり、正しい配達郵便局以外の郵便局に誤って郵便物を送付してしまうといった問題が発生しています。
そこで、正しい配達郵便局への送付率と区分スピードの向上を目指し、郵便番号による区分の訓練を実施しました。

2.訓練の実施模様

まずJICA専門家が、ミャンマー郵便における郵便物の区分業務の現状、正確な区分を行うことの重要性、郵便番号を活用した区分のメリット、そして日本の郵便局における標準的な区分作業について講義をしました。

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4人ずつのグループで講義を実施(@ネピドー)

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郵便物の持ち方を指導(@マンダレー)

次に、模擬郵便物と訓練用の区分棚を使った、区分の訓練を実施しました。模擬郵便物とは、架空の住所を記載したこの訓練用の郵便物であり、今回の訓練用に、住所のみを記載したものを120通、住所と郵便番号の両方を記載したものを120通用意しました。
訓練では、最初に住所のみを記載した模擬郵便物を使い、その後に住所と郵便番号を記載した模擬郵便物を使い、3分間で何通区分できるのかを計測しました。計測後、区分実施数、区分間違いの通数・箇所を参加した職員にフィードバックしました。

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訓練模様(@マンダレー)

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訓練模様(@ヤンゴン)

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区分の結果をフィードバック(@ヤンゴン)

3.訓練の結果

区分実施数については、個人差があり、3分間で100通以上区分できた職員もいれば、50通程度の職員もいました。
区分間違いについては、住所区分時は、区分郵便物の5~9%が誤った区分をされていました。この主な原因は、同一町内で複数の郵便局が配達している場合、正しい配達局がわからずに間違って区分してしまうというものでした。
このような区分間違いは、住所ではなく郵便番号を見て区分することでほぼ解消することができるので、郵便番号区分時の区分間違いは格段に減少しました。
訓練に参加した職員の多くから、「郵便番号の方が区分しやすく、間違えにくい」、「郵便番号区分に慣れてくれば、もっと早く区分できると思う」という感想が聞かれました。

4.今後の展開

この訓練を通じ、郵便番号を活用した区分のメリットが理解されました。その一方で、ミャンマーにおける郵便番号の認知度や記載率は低く、まずはミャンマー国民に郵便番号を知ってもらうこと、そして書いてもらうことが必要となります。
そのため、9月下旬に技術協力プロジェクトで新たに編纂した郵便番号帳の配布と郵便番号普及イベントを実施し、郵便番号の普及に向けた活動を行います。