MRTV初の調査報道番組を放送

2019年6月27日

国営放送局から公共放送局へ。
その変革を後押しする「MRTV Next」プロジェクトが4年目に入った2019年6月、MRTVで初めての調査報道番組が放送された。ミャンマーで妊産婦死亡率が高いことと地域医療の問題に焦点を当てた番組で、担当記者が1年近くの時間をかけて取材をしたものだ。ゼロから問題点を洗い出し整理する、取材先を探し、構成を考えながら取材をする。予期せぬことが起きた時にどう対処するのか、多くのことがMRTVの記者には慣れない作業だった。何度も編集をやり直し、追加取材をして原稿を書き直す、粘り強く放送までたどり着いた。

これまで、上からの指示に淡々と従ってきたMRTVの記者にとっても、プロジェクトを支援する日本人専門家にとっても“調査報道”は、一つの大きな壁であり目標であった。プロジェクト開始からの3年間、日本人専門家の助言を受けながら、身近なネタや社会問題を短くとりあげる「ニュース企画」の制作を積み重ね、今回、調査報道番組の放送が実現したことは、MRTVの進化の象徴のひとつといえる。

まだMRTVは国営放送局であり、放送の自主自律に向けた改革は簡単なものではないが、自主的に企画を考えて構成を立て取材をする、日本をはじめとする多くの国の記者が日常的に行うこの一連の流れを、この国でも当たり前にできる日もそう遠くないかもしれない。

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MRTVの放送より

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母親と赤ちゃんの取材風景(向かって左側がMRTVの担当記者)

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撮影手法を指導する林専門家