パイロット保健セクターでの活動

2016年1月12日

ニカラグアには、コミュニティレベルで保健分野の課題解決に取り組む住民ボランティアがほとんどの集落に在籍しています。彼らは、広範なテーマに対応する保健ボランティアであったり、伝統的分娩介助者であったり、マラリア対策に特化したボランティアであったり、1980年代、時のニカラグア政府の指導により設置されました。保健省は、必要に応じて、テーマ別にボランティアに対する研修を行い、現在でも彼らの多くは無償で活動を継続しています。コミュニティを一番よく知っている彼らボランティアは、保健省の「家庭地域保健チーム(ESAFC)」と住民を繋ぐ重要な役目を担っており、ESAFCが保健セクターでプロモーション活動や住民参加型活動を実施する時には欠かせない存在です。このボランティアメンバーを総称して「コミュニティネットワーク」と呼んでいます。

プロジェクトは、プライマリーヘルスケア(PHC)を基盤とするニカラグアの「家庭地域保健モデル(MOSAFC)」による、継続的な保健活動の展開を目指して、ともに保健セクターで働く(下図参照)、ESAFCとコミュニティネットワークの実践的な活動モデルを完成することを目指しています。

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ベースライン調査や保健省令を基に、最低限必要なESAFCとコミュニティネットワークによる活動手法として、下記のとおり13活動を整理し、活動ガイドに纏めました。

(1)コミュニティネットワークリストの作成
(2)保健セクター会議の毎月の開催
(3)家族調査票の作成
(4)集落マップの作成
(5)コミュニティネットワークとの保健セクターおよび集落の分析
(6)コミュニティネットワーク向けの出産計画研修実施
(7)出産計画の実施
(8)保健活動の計画・実施・評価
(9)コミュニティネットワークによる集落集会の開催
(10)コミュニティネットワークによる活動計画立案
(11)コミュニティネットワークによる活動の実施
(12)コミュニティネットワークによる活動の評価
(13)保健セクター間の知見共有

プロジェクトは、パイロット保健セクターにて、これらの活動を1年間で試行し、実施可能な活動かどうかを検証する計画です。写真は、ESAFCとコミュニティネットワークが参加する各地の保健セクター会議の様子を紹介します。

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ヌエバ・ギネア市タロリンガ保健セクターで、保健ポストの一室を利用した会議。

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アコヤパ市サン・フェリペ保健セクターで、ニカラグア湖に面した船着き場のスペースと利用した会議

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エル・ラマ市グァピ保健セクターで、小学校の一室を利用した会議

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サント・ドミンゴ市チナモス保健セクターで、保健ポストの中庭スペースを利用した会議

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ヌエバ・ギネア市ナシオネス・ウニダス保健セクターで、保健ポスト内の一室を利用した会議

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アコヤパ市エル・サポテ保健セクターで、ある集落の一般家庭を利用した会議