第1回プロジェクト合同調整委員会を開催

2016年3月9日

「プロジェクト合同調整委員会」は、協力対象国のプロジェクト実施省庁と関連機関の要職者、プロジェクトメンバー、JICA関係者などで構成されるプロジェクト最上位の意思決定機関です。当プロジェクトの実施に関して2015年1月に相手国政府と交わされた協議合意書に基づき、プロジェクト・ディレクターである保健大臣を議長とした同委員会の会議を年に1回実施し、活動状況や問題点、その解決に向けたワークプランなどを中心に、プロジェクトの実施に必要な事柄を協議し、参加者の合意や承認を得ることになっています。

第1回プロジェクト合同調整委員会は、2016年3月9日開催されました。ニカラグア側からは、保健省から保健大臣、保健サービス総局長、対外協力局長、チョンタレス保健管区長、セラヤ・セントラル保健管区長らが参加し、外務省の担当者もオブザーバー参加しました。日本側からは、JICAニカラグア事務所長、企画調査員や現地職員のほか、プロジェクトの4名の日本人専門家が参加しました。会議では、活動の進捗状況と成果、ベースライン調査結果が報告され、それらを踏まえた今後のワークプランと目標到達度の指標(PDM指標)、供与医療機材リストの内容等について協議し、修正が必要な事柄については変更点の確認とその合意がなされました。

プロジェクト活動の進捗についての報告では、2015年7月12日に専門家が到着し、活動が開始され、プロジェクト運営委員会が組織されワークプランの原案が作成されたこと、これまでに、協力対象地域の母子保健の実状を把握・分析してPDM指標とプロジェクトの具体的な活動内容、そしてパイロット保健セクターの決定などを目的としたベースライン調査を実施したこと、選定したパイロット保健セクターで、住民参加型の母子保健活動に取り組み始めていることが説明されました。また、保健省令や類似案件で作成されたマニュアルなどを精査し、ベースライン調査結果を踏まえた上で、ニカラグアの現状に即した研修教材を作成し、カスケード方式の研修を担うファシリテーターの養成研修を開始しました。そのほか、早急に解決すべき課題の存在が明らかになった「妊産婦管理台帳」や「レファーラル・カウンターレファラルシステム」についても、その改善に向けた取り組みが報告されました。これらの活動成果を関係者間で共有するとともに、残すところ1年間の活動計画を説明し、第1期ワークプランは公認されました。

ベースライン調査で得られたデータを基に行った、パイロット保健セクターの決定についても、この会議で、選定基準および選定結果の承認を得たほか、母子保健に関わるデータの管理とその活用方法の改善、プロモーション活動強化の必要性など、明らかになった課題を参加者で共有し、解決に向けた対策を講じて行くことが保健大臣より保健サービス総局長および両保健管区長に指示されました。同じく、ベースライン調査の結果から仮設定したPDM指標の数値は、保健大臣の指導により、より高い目標値に修正されました。

次回、第2回合同調整委員会は、2016年11月に第2期計画に関して協議する予定です。

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保健省本省で開催された合同調整委員会

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カストロ保健大臣(右奥赤い服の女性)へ、プロジェクト活動を説明する中村総括(左端)、左から2人目は高田JICAニカラグア所長