タロリンガ保健セクター会議

2017年6月20日

各保健セクターには、医師・看護師・准看護師で構成される医療チームと、各集落の保健ボランティア、伝統的助産師、集落のリーダーなどで構成されるコミュニティネットワーク(RC)があります。医療チームとコミュニティネットワークを合わせて、家庭地域保健チーム(ESAFC)と呼びます。RCは、医療チームと共に保健セクターに必要な保健活動(ESAFC活動)に参加しています。毎月保健セクター会議が開催され、集落の保健に係わる問題や保健活動について話し合います。
パイロット保健セクターのひとつで、ヌエバ・ギネア市北部に位置するタロリンガ保健セクターは、4集落で構成され、タロリンガ集落に保健ポストが設置されています。パイロット保健セクターに選定される前、ここでは、定期的な会議は開催されていませんでした。医療チームはRCへ協力を求める時に招集していましたが、いつも4人ほどしか集まりませんでした。プロジェクト開始後、各集落でRCのメンバーリストを作成するところから始め、活動参加の促進に取り組みました。保健セクター会議を実施することにより、医療チームとRCのコミュニケーションが増え、信頼関係が築かれていきました。また、各集落の保健問題や解決策を話し合うことで、ボランティアの責任感や結束が強くなっていきました。

2017年6月の保健セクター会議には、4集落から保健ボランティア、伝統的助産師のほかに、緊急時に妊産婦の搬送を手伝う集落のメンバー、青少年クラブの学生、教師、警察官など、合計22人のRCメンバーが参加しました。会合では、保健ボランティアのひとりが、以前研修を受けたという「環境とゴミのリサイクル」に関して講話を行いました。また、青少年サークル代表の学生が、スポーツ大会や、他地域の青少年との交流など、様々な活動を紹介しました。
今後の活動として、ヌエバ・ギネア市で多発している交通事故への対策として、若者による交通安全パレードの企画が挙がり、同席した警察官へ協力を依頼しました。残念ながら警察官の都合がつかず、パレードは延期しなければなりませんでしたが、その代替え案として、パレードの参加メンバーで公園の掃除をすることを、この会議で決めました。ESFSC活動の一環である、住民が保健問題を分析し、その対策を計画、実施する過程が築きつつあります。以前は、医療チームが一方的に協力を依頼する場だった保健セクター会議が、RCの主体的な活動の場へと変わってきました。

【画像】

講話をする保健ボランティア

【画像】

青少年クラブ代表者による発表