社会奉仕医師・看護師へのアンケート調査結果

2018年8月31日

ニカラグアでは、医学生と看護学生は最終の1年間、社会奉仕医師、社会奉仕看護師として、現場で経験を積んだ後、資格が与えられることになっています。

ニカラグアの「家庭地域保健モデル(MOSAFC)」による、継続的な保健活動の展開を目指して、「家庭地域保健チーム(ESAFC)活動ガイド」を作成し、ESAFC活動を支援しています。同ガイドでは、1年間のサイクルで実施する13の活動項目が示されています。

プロジェクトでは、1年間のESAFC活動を実施した、社会奉仕医師、看護師と新規採用された准看護師に対し、任期の前後にあたる、2017年4月と2018年3月にアンケート調査を行い、ESAFC活動に対する認識の変化を比較しました。また、2018年には、1年間の活動で得た経験を踏まえ、KAP式(Knowledge/知識, Attitude/態度, Practice/行動)の質問を加えました。質問項目は、ESAFC活動である、「保健セクター会議開催頻度」、「村落訪問の回数と活動内容」、「家庭調査票の使用目的」、「村落地図の使用目的」でした。

この結果から、活動に対する認識の変化として、「MOSAFCの目的にコミュニティネットワーク(保健ボランティア等で構成される)メンバーをESAFCの一員とする(グラフ1)」に関して、数値が上昇しました。また、KAP調査では、「保健セクター会議の開催頻度(グラフ2)」の質問に対し、毎月開催すると回答した中で、知識、態度より、行動の数値が高くなりました。KAP調査は問題点の所在を把握し具体的な対策につなげることに使われますが、今回の結果から、ESAFC活動ガイド研修、実践、巡回指導が効果的であったことが分かりました。また。ESAFCの医療チームは、住民で構成されるコミュニティネットワークメンバーとの連携を強化し、保健セクター会議の毎月の開催が定着していることが分かり、住民参加型の保健活動が、より確実に実施されていると考えられました。

【画像】グラフ1.ESAFCメンバーにコミュニティネットークが入っているか

【画像】グラフ2.保健セクター会議開催頻度