2018年の教材試行の開始

2018年5月24日

NICAMATEでは、Amigable(スペイン語で「フレンドリーな」)を合言葉に、みんなにわかりやすい中等数学科の教科書作成を進めてきました。この度、一通り書き揃った教科書全単元の試行を2018年3月に開始しました。今年度の試行では、ニカラグア国内4県(マナグア、カラソ、チナンデガ、レオン)にあるパイロット校計10校の教員・生徒に教科書を配布し、各校を訪問してNICAMATE教材の授業での使われ方や教員の使用感、教科書の改善すべき点、教材導入時の課題などを確認しています。また、ニカラグアの教員は教科書を使った授業にあまり慣れていないことから、プロジェクトのカウンターパートによる示範授業、教科書の使い方に関する助言などを併せて行っています。

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教科書

プロジェクト開始時に実施した学習診断調査では、教員が板書や説明に時間をかけすぎてしまい、生徒が問題を解く時間がないことが大きな課題として挙げられましたが、パイロット校で観察した授業では、生徒が個別に問題を解く時間が確保され、一生懸命に問題を解く姿が見られるなど、NICAMTE教材の導入によるポジティブな変化がみられました。一方で、教員の時間配分が適切でなく1時限の内容を2時限かけて教えたり、生徒の参加を重視するあまり教員による説明が不十分になったりするなど、改善すべき点も確認されました。

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教科書を使った授業の様子

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子ども同士の学びあい

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教員による個別指導

NICAMATEでは今後、教材の試行を通じて得られた気づきをもとに教科書をブラッシュアップするとともに、教員用指導書や問題集の作成、教師教育の強化などに取り組んでいきます。