新しくなった予約確認と未再来者追跡(AR&DT)自動システム導入進展と報告会の開催

2019年3月26日

2019年1月の試験運用を経て、2月から3月にかけてラゴス州プライマリーヘルスケア庁(LSPHCB)のオフィスのあるヤバ地区を中心点とし、放射線状に、システムのカバー域を拡大していきました。まずは、プロジェクトで開発したアンドロイド用モバイルアプリをスマートフォンにインストール。各PHCを訪問し、主たる通信電話会社4社のインターネット回線の繋がりやすさを現場でテストしつつ、最もつながりやすい回線を確認し、そのSIMをスマートフォンに入れてプライマリーヘルスケアセンター(PHC)スタッフに対し現場で実践オリエンテーションを行いました。また、後日再度訪問し、スーパービジョンをしました。この地道な作業を週4日行いました。そして毎週金曜日にはその進捗を確認、問題を共有、解決策を検討し、実行というサイクルを繰り返していきました。中心になって動いてきたのは、以前お伝えしたように技術部会(TWG)メンバーの9名ですが、これ以外にも、彼らの部下たちが代理で参加しましたので、LSPHCBが総がかりでこの介入拡大に取り掛かったと言っても過言ではありません。そして3月のプロジェクト終了時までに32か所のPHCに運用を拡大することができました。

モバイルアプリ使用マニュアル(注)も作成され、現場でのオリエンテーションに役立てられました。このマニュアルは、LSPHCBの認証を受け、事務次官の署名入りで製本され、配布されました。また、この新しいシステムは、システム運用においてある程度の管理をポータルサイトから自分たちでできるように工夫されており、3月にはシステムアドミニストレーターの養成研修も行いました。この過程を通して、アドミニストレータ用マニュアルも作成されました。

3月18日には、ラゴス州保健省(LSMOH)およびLSPHCBの関係者およびWHO、UNICEF、Clinton Health Access Initiative、Nigerian Urban Reproductive Health Initiative、InStrat Global Health Solutionsなどの開発パートナーたちを呼び集め、最終報告会を行い、これまでの進捗と展望を共有しました。3月25日にはアブジャの連邦保健省保健計画統計リサーチ局において最終報告を行いました。局長も、QRコードを使った新しいシステムの可能性に高い関心を示し、今後のラゴス州の健闘を注視したいとコメントしていました。

4月からはいよいよLSPHCBが自らの努力によって、システムカバー域拡大を行っていく計画を立てており、今後の進展が期待されます。がんばれ!

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QRコードを張り付けた妊産婦手帳を嬉しそうに見せる妊婦

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PHCにおける実践オリエンテーションの様子