本事業は、パンジャブ州の技術短期大学(GCT)工業系ディプロマ機械学科において、製造業の人材ニーズに対応した教育カリキュラムの改訂、マスタートレーナー(注1)の育成、自動車産業、金属加工業等の企業との産学連携の促進を行うことにより、質の高い教育を提供するための組織体制の強化を図り、もって同科が産業界のニーズを満たす人材を輩出することに寄与する。
(注1)トレーナーを育成するトレーナー
パンジャブ州東部(パンジャブ州東部の技術短大13校)
直接受益者:パンジャブ州技術短期大学機械学科教官
間接受益者:パンジャブ州技術短期大学機械学科学生及び企業
2016年2月27日~2020年2月26日
6.4億円(暫定)
パンジャブ州技術教育・職業訓練局(Technical Education and Vocational Training Authority :TEVTA, Pun jab Province)及びGCTレイルウェイロード校、GCTファイサラーバード校
1)カテゴリ分類(A,B,Cを記載):C
2)カテゴリ分類の根拠:「JICA環境社会配慮ガイドライン」に掲げる影響を及ぼしやすい特性や影響を受けやすい地域に該当しないため。
本案件でGCTレイルウェイロード校での建築学科の女性訓練生が就職支援室を利用することができる。
・技術教育改善プロジェクト(技協)(2008年~2013年)
・自動車部品製造業技術移転プロジェクト(技協)(2015年~2019年)
・建設技術訓練所能力強化プロジェクト(技協)(2015年~2019年)
EU、オランダ、ドイツ、ノルウェーによる「TVET改革支援プログラム」。(2011年〜2016年)
パンジャブ州東部の各GCT工業系ディプロマ機械学科において質の高い教育を提供するための組織体制が強化される。
指標:
1)卒業率の維持
2)卒業から1年後の就職率の増加
3)GCT機械学科の改善計画の導入
産業ニーズに基づき、GCTレイルウェイロード校とGCTファイサラバード校の工業系ディプロマ機械学科コースの技術教育の質が向上する。この質の向上に適用されたアプローチがパンジャブ州東部における他のGCT校においても導入される。
指標:
1)GCTレイルウェイロード校とGCTファイサラーバード校の工業系ディプロマ機械学科がNAVTTCの認証基準に基づき、「教授・学習プロセスの効果性」と「労働市場との連携」のそれぞれの項目で80点以上を取る。
2)TEVTAとGCT代表で構成される作業部会でGCT機械学科の改善計画が承認される。
成果1:GCTレイルウェイロード校の研修管理サイクル(TMC)が再検討され、各GCTと共有される。本プロジェクトのアプローチを導入するための改善計画が策定される。
成果2:対象GCT工業系ディプロマ機械学科のカリキュラムが製造業の人材育成ニーズを満たす内容に改訂される。
成果3:改訂カリキュラムの実施のために、GCT ファイサラーバード校工業系ディプロマ機械学科の設備が拡充される。
成果4:GCTレイルウェイロード校とGCT ファイサラーバード校が、CoEとして改訂カリキュラムに基づくTrainers of Training(ToT)が実施できるマスタートレーナーを持つ
成果5:産学連携(注2)が強化される。
(注2)カリキュラム改訂への産業界の意見反映、就職セミナー開催、企業へのインターン受け入れ等
カウンターパートが十分に確保される。
治安悪化によりプロジェクト活動が著しい影響を受けない。
主要な産業政策、人材育成戦略が大きく変化しない。
パキスタンの企業を取り巻くビジネス環境が急激に悪化しない。
本事業は、パキスタン国の開発政策、開発ニーズ、日本の援助政策と十分に合致しており、また計画の適切性が認められることから、実施の意義は高い。
2013年まで実施された「技術教育改善プロジェクト」では、GCTレイルウェイロード校の工業系ディプロマ機械学科を産業界のニーズに沿った技術教育を実施するモデル校とすることに成功し、企業の卒業生に対する満足度(72%)、卒業生のGCTレイルウェイロード校に対する満足度(100%)、ともに高い評価を得た。この成功要因は、きめ細かなニーズアセスメントと実践的な活動計画づくりを研修管理サイクルの中で規定し、カリキュラム改訂及び教員のトレーニング等を実施したことである。本プロジェクトでも、産業界のニーズを確認した上で、研修管理サイクルの内容を見直し、カリキュラム改訂、機材整備、マスタートレーナーの育成、産学連携を達成し、それぞれの成果が相乗効果をもたらすようプロジェクトを実施する。
協力概要のとおり。
事業開始6か月以内 ベースライン調査
事業終了3年度 事後評価
安全対策については、JICA安全対策措置のパキスタン渡航の条件に従う。