保健医療サービス能力強化研修スタート

2014年4月3日

3月12日より、プロジェクトサイトであるカアグアス県において、研修地方委員会から家族保健ユニットのスタッフへ「保健医療サービス能力強化研修」(第1モジュールの家族保健ユニットの業務)が開始されました。

本研修の対象者は、カアグアス県下41の家族保健ユニットに勤務する296名の医療従事者(医師、歯科医師、看護師、准看護師、保健推進員、薬剤師、その他)と30の保健ポストに勤務する57名の医療従事者(医師、看護師、准看護師、保健推進員等)計353名のプライマリヘルスケアに携わる医療従事者です。実施方法は、月2回、3日間の研修を5ヵ月かけ全員に対し実施します。その内容としては、6つのガイドブック(テーマ:(1)チーム医療、(2)訪問ケア、(3)参加型計画、(4)地域グループとの業務、(5)初診の受入れ、(6)管轄区域の区分け)に沿いプライマリヘルスケアに関する基礎知識・技術強化を目的として、順次研修を実施していくものです。

この研修の実施体制は、カスケード方式にて行われます。まず、昨年10月にエルサルバドルの4名の専門家から研修を受けた研修中央委員会メンバー(厚生省職員、第五衛生局職員)が、その内容をパラグアイの家族保健ユニットの現状に沿ったものにするため、プロジェクトで改定した6つのガイドブックを活用し、同年12月に研修地方委員会メンバー(第五衛生局職員と家族保健ユニットのスタッフ)に研修を行いました。その後、研修内容をカアグアス県の家族保健ユニットの現場で活かせるよう、研修内容、教材や臨地実習ガイドを練り直して準備を進めてきました。

研修は、3日間にわたって実施され、1日目には、(1)ファシリテーターの特徴、(2)家族およびコミュニティに焦点を当てたケアのモデル、(3)家族保健医療チームの一般的機能、(4)家庭保健医療チームの特殊機能、(5)チーム医療の在り方、(6)初診の受入れ方を学んでもらいました。2日目には、ファシリテーターが自身の勤務する家族保健ユニットの管轄区域の健康・公衆衛生地図を示しながら、(7)管轄区域の区分け、(8)家族の健康レベルの診断、(9)個別の健康の度合いによる対応と計画、(10)家庭訪問(訪問ケア)を取り上げました。そして、最終日には、地域での臨地実習を行い、実習を通して得た情報を基に(11)参加型コミュニティ診断の現況の検討、コミュニティ活動計画を作成しました。

研修参加者からは、「とてもよく計画・組織された研修で、興味深いテーマを取り上げてもらった。」「この研修を通じて、家族保健ユニットでの自分の役割が明確になった。」「地域における健康サービスの中で、チームとしてどのように業務を行っていくべきかを学んだ。」との声が聴かれました。

参加者は、今後本研修で学んだ知識・技術を各々の職場で実践していきます。そして、参加者の現場での実践の様子も研修受講3ヵ月後から受講者全員にモニタリングしていく予定です。

写真

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受付(研修地方委員会メンバーと研修視察のためにカアグアス県を訪れた研修中央委員会メンバー)

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研修準備の様子(研修中央委員会メンバーから指導を受ける研修地方委員会メンバー)

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開会式

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研修地方委員会メンバーの紹介

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研修参加者自身が作った研修受講マナー

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Alexsis Benitez医師による「家族保健医療チームの一般的機能」の講義

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臨地実習に向かうバスの中

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家族保健ユニット「Potrero Ubaldina」

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臨地実習(参加者に指導を行う研修地方委員会ファシリテーター)

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グループワーク

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小休憩

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閉会式 研修参加者と共に

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開会式であいさつをする小川正子チーフアドバイザー

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研修終了後の反省会