アパヤオ州において医療・一般機材の供与式典が開催されました。

2013年3月11日

2012年12月、プロジェクト対象地域であるアパヤオ州とアブラ州に母子保健関連機材が供与されました。供与対象となった保健施設は、アパヤオ州内3ヶ所の保健所および6ヶ所の病院、アブラ州内6ヶ所の保健所と2ヶ所の病院です。供与された機材は、分娩台、検診台、ベッド、胎児ドップラー、発電機等、安全で衛生的な環境での分娩に必要なものです。

2013年1月24日、アパヤオ州にて供与式典が開催され、日本大使館からは磯俣秋男公使、フィリピン側からは保健省次官ジェラルド・バユーゴ氏、そしてアパヤオ州知事エリアス・ブルット氏が出席。アパヤオ州へこれら機材が公式に引き渡されました。

アパヤオ州では自宅分娩が全体の45%を占めています。これは、文化的な背景から伝統的産婆介助による自宅分娩を望む傾向があること、貧困や厳しい地理的条件などから医療施設でのサービスを受けることができないこと、などが要因です。自宅での分娩は時に緊急事態発見の遅れにつながる、処置の為の医療施設への搬送に時間がかかるなど、大きなリスクを伴い、死につながることもあります。妊産婦・乳幼児死亡率の低減に最も有効なのは、定期的な産前産後健診の実施、適切な医療施設での分娩です。これらにより、専門知識を持った医療従事者が、清潔・安全な分娩介助を行うことができ、また、異常が起きた際の迅速な処置が可能になります。

プロジェクトでは、今回の機材供与のほか、医師・看護師・助産師に対する緊急産科・新生児ケア研修(Basic Emergency Obstetric and Newborn Care Training)も実施し、人材と機材の両面からコーディレラ地域における妊産婦・乳幼児死亡率の低減に取り組んでいます。

来年度は、さらに地理的条件が厳しい村に居住する妊産婦も医療施設へのアクセスが可能になるように、村落保健所への機材供与と助産師への研修を行います。

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供与機材式典の模様 (アパヤオ州、ルナ町)

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アパヤオ州内、さらに遠隔地の医療施設まで配送

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既に利用されている供与機材 (アブラ州、ラガンギラン保健所)