AI技術(ドロン、3Dモデル解析)を活用した橋梁点検

2019年1月17日

2018年11月15,16日、フィリピン国の中央に位置するレイテ島においてAI技術(ドロン、3Dモデル)を活用して橋梁点検を実施しました。AI技術は、最近日本に限らず全世界で技術革新をしています。橋梁点検についても同様に、日本はじめ各国でドロンを使用しての点検技術開発が進んでいます。
今回は、過去、日本の援助により建設された特殊橋梁2橋(サンワニコ橋、アガスアガス橋)現場において、ドロンを活用して橋梁点検を実施するとともに、3Dモデルによる解析を行いました。3Dモデルは、ドロンに搭載したビデオカメラの画像記録から立体モデル化するとともに損傷の種類、場所を特定できるものです。

点検を行ったサンワニコ橋は、鋼トラス型式で1972年に、アガスアガス橋は、プレストレストコンクリート箱桁型式で2009年に日本の援助により建設された橋です。サンワニコ橋は島嶼間を連結した海上橋で点検通路等がないことから、また、アガスアガス橋は、高橋脚であることから、両橋とも点検が困難な状況です。今回は、これら点検困難な箇所をドロンを使用して点検することができました。点検結果として、サンワニコ橋は、一部ボルト緩み、塗装腐食等、アガスアガス橋は、クラック等が確認されましたが重大な損傷は確認されませんでした。

当日は、100名を超えるDPWH技術者が参加し、プロジェクトチームからドロンによる点検方法、損傷状況および3Dモデルによる解析結果を説明しました。参加者からは、多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答を行うことができました。

AI技術は、日々進歩しており、橋梁点検においてはより正確なデータ収集ができるようになることが期待されています。今後、DPWHにおいても、これまで点検が困難であった橋梁について、ドロンを活用した点検が実施されることが望まれます。

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サンワニコ橋

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アガスアガス橋

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ドロンによる橋梁点検を見学するDPWH参加者

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アガスアガス橋でのドロンを活用した点検状況見学

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飛行中のドロン

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JICA専門家によるドロンによる点検方法等説明

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JICAチームから3Dモデルによる点検結果の説明