第5回広域研修「構造的アプローチを通じた気候変動適応と防災」の開催

2021年4月15日

第5回広域研修「構造アプローチを通じた気候変動適応と防災」を3月8~30日に実施しました。本研修は、太平洋地域環境計画事務局(SPREP)/太平洋気候変動センター(PCCC)が新しく立ち上げたeラーニングプラットフォームを活用して開催された初めての研修です。13か国・地域(クック諸島、ミクロネシア連邦、フィジー、キリバス、ナウル、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、東ティモール、トンガ、バヌアツの12か国及び米領サモアの1地域)から計54名が参加し、研修講師にはJICA短期専門家に加え、太平洋地域インフラ機関(Pacific Region Infrastructure Facility:PRIF)のJane Romero氏にも参加いただきました。

本研修では、建築基準法、土木構造物、海岸堤防等の構造的アプローチの強化に向けた能力強化を目的としました。背景には、大洋州島嶼国・地域では氾濫やそれによる居住地の被害等の気候変動による影響が予想されている中、災害リスクの削減に向けて構造的アプローチが有効な手法として認識されていることがあげられます。

研修は3つのモジュールで構成され、モジュール1では気候変動予測、構造物へのへの影響、構造物の脆弱性評価手法、モジュール2では建物や沿岸構造物に関する技術的・政策的なオプションを網羅程に履修し、モジュール3では気候変動と影響及び脆弱性の関係を明確化し緑の気候基金(GCF)で使用されるログフレーム作成を想定したグループワークを実施しました。

研修後に参加者からは「グループワークでは個々人の経験を共有し、他の参加者からの学びもあり、議論が興味深かった。また、他国が作成したログフレームからは他国の事例・情報を知ることができた。他の研修参加者と関わることのできるよう効果的な手法が取られていたことに感謝したい」と感想が述べられました。

2021年の研修プログラムとして、今後、生態系、食料安全保障(農業・漁業)及び保健について実施を予定しています。

【画像】バーチャルセッション(第5回研修 2021年3月)