セルビア・日本の大学間の交流のもと、ベオグラードにて「モビリティ・マネジメントと学校教育」をテーマとしたワークショップを行いました。

2023年5月11日

本プロジェクトでは、ベオグラード市公共交通部(以下、SfPT)の「運賃収受確保のための計画立案能力の向上」に資する取り組みの一環として、交通教育活動を通じたモビリティ・マネジメント(以下、MM)を実施しています。具体的には、現地の小学生を対象に交通すごろくを活用した授業を提供し、「公共交通」と「クルマ」の違いや、「公共交通利用の大切さ」を学ぶきっかけ作りを行っています。これらの取り組みは、クルマが渋滞や環境に良くないことを知りながら、問題が改善されない原因を「社会的ジレンマ」の概念を用いて理解することができること、また、社会的ジレンマを解決するためには、「地域の公共交通」を利用し、「クルマ」は場合に応じた活用することが重要と気づいてもらうことが期待されます。

現地では、2023年2月からベオグラード市内の4つの小学校を対象に交通教育活動を実施し、ベオグラード大学輸送・交通工学部(以下、FTTE)の講師陣と共に、MMに対する関係者の理解を深めてきました。

今回、1)現地における交通教育活動の取り組みの成果の共有、2)日本で行われているMMと学校教育の取り組みの紹介、3)両国間の学識経験者による意見交換等を目的に、5月5日にベオグラード大学にてワークショップを開催しました。

日本側からは、MM研修の第一人者のひとりである筑波大学システム情報系社会工学域の谷口綾子教授を招き、ベオグラード大学の講師陣、プロジェクトのカウンターパートであるSfPTのスタッフと共に、広く意見交換を行いました。ベオグラード大学の発表では、これまでの小学校での交通教育活動の結果報告がなされ、谷口教授の発表では、日本国内におけるMM活動の具体事例や実施上の留意点・工夫、効果計測の方法について紹介されました。これらの内容は、今後のベオグラードでの取り組み検討において非常に有益な内容として受け止められていました。

学術機関との交流を通じて得た知識や経験の共有は今後も積極的に実施していきます。

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ベオグラード大学の講師による活動報告

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筑波大学谷口綾子教授による講演