2017年、一年間の活動のまとめ

2018年3月14日

2月~4月 ベースラインサーベイを実施

事業対象地であるガダルカナル州、マキラ・ウラワ州の7村、560名を対象にベースライン調査を実施。村によって多少の差はあるものの、全体を通して次のような結果が得られた。

・生活習慣病のリスクが非常に高い
・5歳以下乳幼児の栄養失調も多く見られる
・ゴミ処理や衛生管理に関する習慣が不十分
・環境が健康に与える影響についての知識はあるが、実践されていない

【画像】

ベースライン調査の受付の様子

【画像】

個別に聞き取り調査を実施

4月・6月 ワークショップの開催

これまで実施されてきた既存のヘルシービレッジのプログラムは、2011~2015年にかけてJICAにより実施されたマラリア対策システム強化プロジェクトフェーズ2にて設立されたのもので、村民を中心に保健委員を立ち上げ、住民自身が健康上の問題点について考え、それに対する具体的な活動を実施する仕組みになっている。

今回、このヘルシービレッジ推進プロジェクトでは、この既存のヘルシービレッジモデルに、国際的に認知されているCommunity Health Workerの概念を応用した“Healthy Village Promoter(健康推進員)”を配置する。健康推進員と村の保健委員が協働するような形で、人々の健康を増進するようなシステムを導入していく方針である。

2017年4月には、保健医療サービス省や州保健局の関係者が集い、健康推進員の定義や目的、選定方法、研修の概要、活動内容、活動のモニタリング等について話し合うワークショップを開催し、その後、これらの内容は健康推進員ガイドラインとしてまとめられた。

また、6月には研修用テキストブック編集のワークショップが開催され、保健医療サービス省及び今回のプロジェクトの対象となっているガダルカナル州とマキラ・ウラワ州保健局の関係者に加え、WHO(World Health Organization:世界保健機関)、UNICEF(United Nations Children’s Fund:国際連合児童基金)や国際NGO(Non-Governmental Organization:非政府組織)ワールドビジョンからも有識者が集まり、3日間かけて研修内容に関する議論を重ね、健康推進員を育成するための研修準備に大きな一歩を踏み出した。

【画像】

保健省及び州保健局の関係者による、テキストブックの編集ワークショップ

9月 JCC

研修のカリキュラムと、何ヶ月もの時間をかけてカウンターパートと共に作り上げたテキストや教材は、9月に開催された第3回合同調整委員会(JCC: Joint Coordinating Committee)にて承認され、保健省からも健康推進員の育成開始の許可を正式に得た形となった。

【画像】

第3回JCC、JICAソロモン水谷支所長による挨拶

10月 トレーナ研修開催

プロジェクトは健康推進員育成研修の講師となる人材を選定し、3日間のトレーナ研修を実施。参加した州保健局のスタッフや対象地域を管轄する看護師は、合計15名。

【画像】

力丸チーフアドバイザーの指導を受ける参加者、携帯電話の計算機を使ってBMIの計算が正しいかを確認

11月~12月 保健推進員研修

2017年度には、ガダルカナル州3村、マキラ・ウラワ州6村の計9村が対象村として選定され、合わせて28名の健康推進員候補者が2週間の研修に参加した。

【画像】

ガダルカナル州対象村の健康推進員研修開会式

【画像】

ガダルカナル州、健康推進員研修、マラリアの血液検査の実習

2018年3月からは、これら9村28名の健康推進員に加え、各村の保健委員メンバーへの研修に取組む予定である。