プロジェクト対象村の改善ケース

2018年11月28日

ヘルシービレッジ推進プロジェクトでは、11月13日から15日にかけて、ガダルカナル州西側に位置するプロジェクト対象村の視察を行いました。今回は、プロジェクト活動を通して育成した健康推進員の活躍をご紹介したいと思います。私たちが訪れたのは、スマテ村という、ガダルカナル州西側に位置する78世帯のから成る村です。そこでは現在3名の健康推進員が、村の人々がより健康的に生活できるように活動を行っています。

視察の日、プロジェクトチームが村に到着して広場に向かう途中で驚いたことは、道端の雑草などが取り除かれた上に、花が植えられてきれいに整備された環境です。村の中もビーチにも、ゴミはほとんど落ちていませんでした。以前は草木が生い茂り、豚などの家畜が村内を駆け回っていたのですが、まずは健康推進員がそういった村の問題を書き出して、どのように解決していくべきか計画を立てました。そして、それを村の人々に伝え、アクションプランとして村全体で取り組んだ結果、こうして目に見える形となったのです。村の健康推進員の代表者にインタビューを行ったところ、「JICAのプロジェクトが始まってから、村の中は少しずつですが、人々がより健康に暮らすことができるような環境に変化しています。時にはアクションプランを主導する健康推進員と、それを実施する村の人々の間に衝突が起こることもあります。しかし、私たちは常に忍耐強く村の環境を良い方向へ変えることの重要性を説明し、理解してもらう努力を欠かさないように心がけています。」と、語ってくれました。

さらに、ここではプロジェクトが研修を行ったスプスプガーデンと呼ばれる家庭菜園も盛んに行われ、各家庭の庭先の土地を利用した野菜栽培が行われていました。これは、野菜摂取不足を解消することで、生活習慣病の予防につなげようという目的で行っています。肥満や生活習慣病が重大な健康問題となっているソロモン諸島で、プロジェクトでは村の人々が取り組むことのできる予防対策を健康推進員に研修を通して伝えています。今回のスマテ村の視察では、健康推進員がリーダーシップを発揮して、研修で得た知識や技術を村の人々に伝え、改革を行っている様子がわかりました。

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花が植えられてきれいに整備された村の広場の様子。

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ゴミなど見当たらない村の美しいビーチ。

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スプスプガーデンの村のモデル畑。

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プロジェクトチームが、村のHVPにBMIの評価方法を確認しています。