プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)若年層雇用に係る能力強化プロジェクト
(英)Youth Employment Project for Somalia(YEPS)

対象国名

ソマリア

署名日(実施合意)

2017年9月26日

プロジェクトサイト

ソマリア全土

協力期間

2018年2月7日から2022年12月16日

相手国機関名

計画・投資・経済開発省、貿易・産業省、水産・海洋資源省、公共事業・復興・住宅省、労働社会問題省等

背景

ソマリアは長く無政府状態が続いていましたが、2012年に連邦政府が誕生して以降、国際社会の支援を受けながら平和構築・国家建設を進めてきました。2017年には大統領選挙が行われ、新政府が誕生したものの、治安の改善、インフラ開発、社会サービスの提供等、国内の課題は山積しており、国内の産業育成、雇用創出も主要課題の一つとされています。特に、ソマリア人口の約7割が30歳未満の若年層でありながら失業率が非常に高く、雇用機会を持たない若者が生活の糧を求めて海賊やテロ組織等に加わることが社会問題化しています。

上記の背景のもと、2014年にソマリア連邦政府大統領(当時)が来日し、若年層の雇用創出に関する協力を日本政府及びJICAに要請しました。この要請に基づき、JICAは2015~2017年に「ソマリア国若年層雇用に係る情報収集・確認調査」を実施し、ソマリアの雇用状況に係る情報収集と現状確認を行うとともに、特定分野のパイロット研修を実施しました。これらの結果を踏まえ、ソマリア連邦政府は2017年3月に若年層の雇用創出に関する技術協力を日本政府に要請したことで、本事業が開始しました。続いて、同年5月に基本計画策定調査を実施し、調査結果をもとにソマリア側関係者と協議を行った結果、起業家支援も含んだより包括的な産業振興支援を行うことで合意しました。

目標

上位目標

ソマリアの人的資本開発に寄与する、若年層の就業能力が強化される。

プロジェクト目標

若年層の就業・起業を取り巻く環境が改善する。

成果

1.パイロット産業における若年層雇用に関する政策または戦略計画がドラフトされる。
2.パイロット産業における若年層雇用に関するトレーナー/メンターの知識・能力が向上する。
3.起業家/中小零細企業を支援する組織の知識・能力が改善する。

活動

1-1.JICAが実施した「ソマリア国若年層雇用に係る情報収集・確認調査」をレビューし、ソマリアにおける有望産業を確認する。
1-2.ソマリアの関連省庁・機関から情報収集を行い、ソマリアの若年層雇用を生み出す可能性の高いパイロット産業の候補を特定する。
1-3.活動1-1.、1-2.を踏まえて、パイロット産業を選定する。
1-4.パイロット産業における若年層雇用にかかる政策または戦略計画策定のための研修を実施する。
1-5.ソマリア関連省庁との協議の下、パイロット産業における若年層雇用に資する政策または戦略計画のドラフトを作成する。
1-6.成果2と成果3に関する活動を通して、ソマリア関連省庁との協議の下、ドラフトされた政策または戦略計画をレビューし、最終ドラフトを作成する。
1-7.活動1-6.にて作成した政策または戦略計画の最終ドラフトを関連省庁に提出する。

2-1.パイロット産業の政策または戦略計画に基づき、第三国でのToTのカリキュラムを準備する。
2-2.パイロット産業におけるToT参加者を選出する。
2-3.活動2-1.に基づきToTを実施する。
2-4.ToTのレビュー及び評価を行う(プログラム、カリキュラム、研修教材など)。
2-5.ToT参加者に対し、所属する組織が実施する研修プログラムを開発するためのフォローアップ支援を行う。
2-6.活動2-5.で開発した研修プログラムを用いて、ToT参加者がソマリアで実施する研修活動をモニタリングする。
2-7.活動2-3.から2-6.にて得られた教訓をまとめる。

3-1.ソマリアおよびその近隣諸国における起業家/中小零細企業の支援組織の現状を調査する。
3-2.ソマリアの起業家/中小零細企業の支援組織向け研修/ワークショップを計画する。
3-3.起業家/中小零細企業の支援組織のための第三国での研修/ワークショップを実施する。
3-4.活動3-3.に参加した支援組織への指導を行う。
3-5.活動3-3.に参加した支援組織間のネットワークを構築する。
3-6.活動3-3.に参加した組織が支援する起業家/中小零細企業向けの研修活動をモニタリングする。
3-7.活動3-3.から3-6.にて得られた教訓をまとめる。

投入

日本側投入

1.JICA専門家(総括/産業振興、副総括/モニタリング/評価/社会的弱者配慮、産業人材育成/援助協調、水産政策/水産研修、水産研修(浮漁礁)、建築・建設、起業支援、業務調整/研修計画、その他必要分野)
2.第三国研修に必要な機材
3.カウンターパート研修(第三国/日本)
4.ソマリア人アドバイザー(政策策定、M&E、その他)
(注)ソマリア人アドバイザーはIOMのMIDAプログラムを通じて派遣される。

相手国側投入

1.関係省庁からのカウンターパート職員の配置
2.必要データ及び情報
3.研修実施に係るロジスティック・事務的支援
4.ソマリア人アドバイザーに対する職場での安全対策支援