モニタリング評価 実務研修(TOT:Training of Trainers)

2016年9月7日

スーダンにおける農村部では、未だに女性の権利や社会的地位が低い一方、SMAPIIのカウンターパートとして出会う女性職員は総じて理解力が高く、物怖じせずにしっかりと意見を言う姿が印象的です。
この傾向はM&E実務(TOT)研修で模擬講義を行う州財務省の女性職員も例外ではありません。

スーダンでは州財務省による行政事業評価のシステムがうまく機能していません。やる気はあるのにうまくできない理由の一つとして、省庁間のコミュニケーション不足が確認されています。この問題に対し、M&Eセクターではプロジェクトの進捗管理・評価能力の強化、すなわちM&E技術の向上および省庁間のコミュニケーションの円滑化を目的として、州財務省職員の能力強化を図っています。彼女・彼らは、これまでにプロジェクトの管理方法、進捗確認と評価を行うための各種ツールの使い方、州財務省内や関連省庁間とのコミュニケーション・レポーティングの方法などについて学んできました。
9月4日から7日まで4日間の日程で実施されたM&E実務(TOT)研修は、研修参加者が、研修講師として同僚や関連省庁の州政府職員にこれまでに学んだことを教えるための技術を磨く研修であり、州財務省職員が自分の所属する州で自立的に活動を継続する集大成となる研修でした。

SMAPIIスタッフは首都ハルツームに常駐しており直接監理できないため、州で行われる研修は彼女・彼らに頼るしかありません。スタッフが教えたことがどれだけ身について、他の人に教えられるまでになっているのか…このような不安は、参加者全員が行った模擬講義で払拭されました。研修参加者は皆、理解度も高く自信を持って講義を行うことができたからです。特筆すべきはやはり彼女たち女性の活躍。研修理解度テストでは上位3名を女性職員が占めたのです。男性にはもう少しがんばってもらいところですが…研修参加者を自信を持って州に送り出せるレベルに達したと実感できた瞬間でした。

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