コミュニティの人財とリソースを活用した保健プロモーション活動

2018年9月1日

保健セクターでは、パイロット事業として「コミュニティ・モビライゼーション」を通じたコミュニティでの保健プロモーション活動の実施を支援しています。コミュニティに在住する意欲の高い人々の中から、コミュニティ保健委員会を組織し、さらに、保健プロモーション活動を実施する保健ボランティアとしてヘルスプロモーターを育成しました。また、コミュニティにある保健医療施設の医療従事者も、保健医療に関する技術的なバックアップとして、保健プロモーション活動実施を支援しています。

彼らは、毎月、家庭訪問や集会を開催し、コミュニティが抱える健康問題に関するテーマで保健プロモーション活動を実施しています。例えば、子どもたちが下痢にかからないように、手洗い、食べ物や水に蓋をすること、トイレの設置や食品を扱うマーケットを清潔に保つことの必要性を、コミュニティの人々に繰り返し伝え、トイレの設置を支援したり、マーケットの清掃活動を実施しています。また、病気にかかるリスクがより高く、保健医療サービスへのアクセスがより困難である社会的弱者に対しても配慮をしており、例えば国内避難民の女性に対して、子どもが予防できる病気にかかって命を落とさないよう、予防接種の重要性を繰り返し伝えています。

コミュニティ保健委員会は、コミュニティの人々から定期的に彼らが払える金額を集め「コミュニティ基金」を管理・運用しています。その基金から、壊れたハンドポンプや保健施設の修理にかかる費用などを捻出しています。また、清掃活動を行って集めたごみの撤去をコミュニティができない時、コミュニティ外部の機関に協力を要請することで、ごみを撤去しました。このように、コミュニティ内外のリソースを有効に活用し、自分たちの目の前にある課題を一つずつ解決しながら保健プロモーション活動を実施しています。

プロジェクトの支援はもうすぐ終了しますが、プロジェクトのカウンターパートである州保健省が、今後もコミュニティ・モビライゼーションを通じたコミュニティでの保健プロモーション活動の実施促進をダルフール州内で展開していくことを期待しています。

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ヘルスプロモーターによる家庭訪問

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コミュニティ住民による清掃活動

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北ダルフール州のコミュニティで保健プロモーションイベントにプロジェクト専門家が参加