No.3 年間病院運営計画(CHOP)への支援

2016年3月15日

地域中核病院マネジメント強化プロジェクトでは、年間病院運営計画(Comprehensive Hospital Operational Plan:CHOP)およびCHOPに関連するマネジメント体制の支援も行っています。

CHOPは、州レファラル病院を効率的に運営するため、各州レファラル病院が計画立案する年間計画書で、病院の運営に必要な保健資源(財務、人事、医薬品)の確保、各種ナショナルプログラムの実施、病院のサービス拡張などを立案し、予算を確保するための重要な役割を果たしています。

既存のCHOPは、「各州リファラル病院の病院機能を把握しづらい」、「フォーマットが複雑で作成に時間を要する」などの課題を抱えていました。

プロジェクトでは、タンザニア保健省、地方自治省、州保健局など関係者とともに1)CHOPガイドライン、2)CHOPフォーマット、3)CHOP四半期報告書フォーマットの改善および作成を支援してきました。

新CHOPガイドラインの特徴は、ニーズベースであった計画を、院内各部局での診療や支出、資材の使用量などをもとに翌年度の必要額と量を割り出すエビデンスベースの計画づくりに変更し、根拠に基づく計画・立案を押し出したところにあると言えます。タンザニアでは記録を取る、残すことが適切に行われておらず、エビデンスベースの計画づくりがなされてこなかった背景があります。

改善されたCHOPには、各州レファラル病院の基本的な情報、前年度のCHOPの達成状況、今年度の病院戦略や課題、課題に向けての戦略等を含み、以前よりも記載しやすく、さらに病院機能等を把握・分析しやすくなっています。また、四半期の院内モニタリングと病院運営審議会の審査などにつながりを持たせるデザインとなっています。それに基づき、CHOP四半期報告書フォーマットもCHOPの計画達成に向けて進捗状況をより効率的に確認、報告するようデザインされています。

これまでプロジェクトでは、2015年8月、2016年1月にわたって「CHOPガイドラインレビューワクショップ」を行い、CHOPに関連する支援を行ってきました。現在、2つの州でCHOPガイドライン、フォーマットの試行を行っており、試行結果と各方面からのコメントをもとに最終化していく予定です。

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ワークショップにて、保健省関係部局から現状のCHOPの問題抽出に向けたプレゼンテーションを受けている様子。