ASEAN気候変動作業部会・パートナーシップ会合への参加

2019年10月13日

2019年8月28~29日にかけてASEAN議長国シンガポールのもとでASEAN気候変動作業部会(AWGCC)が開催され、プロジェクトはあわせて開催されたパートナーシップ会合にTGO・CITC職員と共に参加した。本会合は気候変動作業部会を通じて作成した気候行動計画の実施の支援機会を模索し、推進を後押しすることを目的として昨年度よりASEAN事務局・作業部会議長国リードのもとで開催されている。

冒頭、議長国シンガポールとASEAN事務局より、ASEAN気候変動行動計画の概要と事前配布されたニーズに関するアンケートの集計結果が発表され、(各国)気候変動長期計画、国内の分野関係機関の横断的調整、MRV、緩和・適応、気候推計(モデリング)に関する能力強化および気候ファイナンスに共通するニーズ・課題として残っていることが確認された。

続く援助機関・パートナーを対象としたパネル協議では、参加した援助関係機関から現行支援の状況や新しい支援構想の説明があった。

パートナー 紹介内容
国連気候変動枠組条約地域事務所(UNRCCC/RCC) CI-ACA
東南アジアMRVハブ
日本環境省 PASTI(日本ASEAN統合基金(JAIF)合同)
AP-PLAT
JICA CITCを通じた域内の能力強化
東南アジア域内のNDCに関連する支援ポートフォリオ
GIZ ASEAN広域土地利用支援(CSLU)
ニュージーランド ASEAN農業交渉グループ支援(ANGA)
欧州委員会 E-READI
韓国外務省 カーボンプライシング・ラウンドテーブル

JICAは本プロジェクトのもとで支援するTGO/CITCを通じた域内の能力強化およびNDCに関連する域内の気候支援全般について紹介した。Results-basedな能力強化の枠組みを構築する方向性・努力に賛同する声が聞かれた

ASEAN諸国との対話の過程では、他にも支援側の関心領域の所在(透明性)の確認とそこに傾斜しすぎた支援にならないかといったリソース配分の懸念や、今次紹介された支援イニシアチブ間の相互関係性、ハブ・プラットフォームの参加要件、進捗状況などに質問が集中している。また都市レベルの気候変動対応についても会場より質問がなされ、事務局からはASEANの枠組では環境持続可能都市に関する作業部会(AWGESC)が一義的に都市を扱うが、Frontrunner Cities Program、Urban Resilience NetworkやClean Airイニシアチブ等も並走する中、気候変動作業部会との更なる水平連携が必要である旨説明がなされた。

この会合を踏まえて、CITCでの域内能力強化の取組は他機関のイニシアチブと同時にASEAN気候変動行動計画を支援する活動として改めて認知されるに至った。