ASEAN研修「気候ファイナンス」の開催-国際気候資金へのアクセス向上のための案件文書作成能力ライトショップ(Write-shop)-

2019年10月16日

2019年9月10日から12日の3日間、プロジェクトは、タイ温室効果ガス管理機構(TGO)が運営する気候変動国際研修センター(CITC)を通じて、東南アジア諸国の関係者を対象とした研修「気候ファイナンス」を実施した。ASEAN加盟国のうち8カ国(ブルネイ、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム)から、計25名が参加した。

本研修は、緑の気候基金(GCF)(注)の窓口となる国内政府機関(National Designated Entity;NDAという)に加えて、各国で気候変動事業の形成及び実施そのものを担う省庁や事業実施者を対象とし、GCFからの資金獲得に焦点を当てて、GCFの投資基準や審査プロセスを踏まえた気候変動対策事業の形成に関するポイントを、実務的課題を中心的に学ぶ構成となった。

演習では、各国が将来的にGCF等の資金援助を期待するプロジェクトの素案を持ち寄り、これら素案をもとにGCFに提出するための計画書(コンセプトノート)の作成を行った。この計画書作成過程では、GCFの認証機関(Accredited Entity;AEという)を含めた気候変動対策事業の形成・実施に携わる専門家らによる直接的な技術指導をベースとした、実践的なアプローチが採用された。

(注)国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に基づき、開発途上国による温室効果ガス削減(緩和)と気候変動の影響への対処(適応)を支援するために設立された多国間基金。2010年のUNFCCC第16回締約国会議(COP16)において設立が決定し、2015年より支援を開始している。

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グループワークの様子(出典:CITCウェブサイト)

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最終成果発表の様子(出典:CITCウェブサイト)

パリ協定のルールブックの大部分が合意に達した今、各国による実施フェーズへの準備体制の確立と対策の加速化が喫緊の課題となっている。本研修では、こうした各国での実施に不可欠な財源確保のための手段とノウハウをライトショップ形式で学ぶことができる貴重な機会を提供している。