償還条件設定について学ぶ:第1回診療報酬制度ワークショップ

2021年6月29日

日本の診療報酬制度を学ぶ第1回ワークショップを、日本から2名の講師を迎え、6月29日にオンラインで開催しました。タイの国民医療保障機構(NHSO)バンコク事務所、バンコク診療報酬審議会メンバーや大学教員など、約30名が参加し、診療費用の償還条件の設定について学びました。

当プロジェクトは、第1フェーズより、診療報酬制度のモデルサイトであるNHSOバンコク事務所に協力してきました。NHSOバンコクでは、日本の診療報酬制度をタイの制度に合わせて取り込み、成果をあげています。その一つが、2019年に立ち上げた、日本の中央社会保険医療協議会(中医協)を模したバンコク診療報酬審議会です。今回は、これまでに、出来高払いの約94%にあたる、外来における診療行為の4500項目以上に、一律の診療報酬(公定価格)を設定したとの発表がありました。

登録された住民1人当たりの定額を報酬として医療機関に支払う人頭払い方式と違って、出来高払い方式では、医師の過剰な検査等から医療費の高騰に繋がる恐れがあります。このことから、NHSOは、診療報酬の償還条件設定を新たな課題に挙げています。今回の講義は、医療費を抑え、医療の質を保つという、条件設定の基本的かつ大変重要な役割を示した上で、数多くの具体的事例を取り上げ、日本の教訓を共有しました。タイの参加者と大変活発な質疑応答が行われ、また、ワークショップの最後は、日本からの知見を得て取り組みたい更なる課題について、様々な意見が挙げられました。

プロジェクトは、これらの意見を基に、タイの診療報酬制度の向上と全国での導入に向けて、今後も引き続きNHSOに協力してまいります。

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