交通安全キャンペーンを実施しました

2022年12月20日

本プロジェクトの成果3では、“3E”とよばれるEngineering(工学面)、Education(教育面)、Enforcement(取締り面)からなる包括的交通安全対策プログラムを実施しています。第1年次は、ナコンラチャシマ県内の観光地であるカオヤイ地区を通る、国道3052号線とその周辺地域を対象に、同プログラムを実施しました。

2021年11月から、パイロットプロジェクト対象地域の住民の方々や、道路管理者である運輸省地方道路局(DRR)、警察等と協力し、交通事故の危険がある場所や要因を抽出しました。その結果、第1年次のパイロットプロジェクト対象地域での主な危険要因として、交差点進入時に停止して周囲の安全を確認しない「一時停止無視」とスピードを出しすぎる「速度超過」の交通違反が抽出されました。これを受け、以下の通り3Eによる交通安全プログラムを実施し、交通安全教育の一環として交通安全キャンペーンを実施しました。

工学面の対策として、速度超過で交通事故が生じる危険性が高い箇所に、カラー舗装を施し、無信号交差点での一時停止線と一時停止標識の設置を行いました。

教育面では、2022年3月、7月、11月の3回、住民とのワークショップを開催し、交通事故の危険要因を共に抽出し交通事故のリスクを改めて認識してもらうとともに、対策案の目的を説明することで、交通事故の危険性や対策の意図を伝えてきました。また、地域の学校2校の学生を対象とした交通安全ポスターコンテストの実施や、地域の人々や道路利用者への危険個所マップの配布を行いました、これら活動を通じ、地域の人々の交通安全への関心が高まることを期待しています。更に、11月26日と27日にパイロットプロジェクト対象地域の沿道にて、住民、学生、警察、DRR等ともに、運転手に対して交通安全を呼びかける活動を行いました。交通安全の呼びかけでは、危険行動の抑制を訴えるのではなく、「Let your family wait than to cry」、「One stop keeps one life」、「No limit no life」、「Reduce speed, reduce medical doctor work, reduce religious activities」といった運転手の方々が自ら交通事故の危険性に気が付く標語をプラカードにて掲げ、それを学生から運転手に直接口頭で伝えるとともに、学生を対象とした交通安全ポスターコンテストの入賞作品(2022年12月8日付けプロジェクトニュース参照)を手渡し、子供から大人に交通安全を呼びかける活動を行いました。

取締り面では、11月27日に警察官が、一時停止無視が多い交差点に立ち、危険個所マップを配布するとともに一時停止無視の危険性と交通規則順守の呼びかけを行いました。警察官からは「このような活動は初めてであるが、道路利用者と直接交通安全を呼びかける良い機会である」との意見がありました。

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工学面の対策(カラー舗装)

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工学面の対策(一時停止標識と停止線)

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危険個所マップ(現地ではタイ語版使用)

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危険個所マップ(現地ではタイ語版使用)

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作成した標語のプラカードを持ち交通安全を呼びかける学生

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沿道での運転手への交通安全を呼びかけ

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沿道での運転手への交通安全を呼びかけ

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沿道での運転手への交通安全を呼びかけ

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警察官による一時停止遵守の呼かけ

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警察官による一時停止遵守の呼かけ