災害保健医療管理に係るASEAN加盟国ピアレビューの開催(タイ)-ASEAN域内における災害医療連携の持続的発展を目指して-

2023年3月22日

2023年2月1~2日、タイ国を対象としてASEAN加盟国による災害保健医療管理に関するピアレビューが開催されました。
このプログラムはASEAN域内における災害保健医療分野の知識共創と相互学習文化の醸成を目指し、「災害保健医療にかかるASEAN首脳宣言実現のための行動計画」(以下、POA/ALD DHM)の国レベル目標の達成状況を指標として実施されたものです。今回のタイでの評価方法を基に、今後実施が予定されているASEAN各国における自己評価のためのツール、2024年と2025年の実施を目指すピアレビューの実施方法が開発される予定です。

ピアレビューの目的

1.災害保健医療管理に関する相互学習・知識共創メカニズムを醸成し、ASEAN域内における災害医療の継続的な発展に貢献する
2.レビュー対象国における災害保健医療管理分野の能力強化のために政策、戦略、指針、教育/訓練開発などの観点から助言を行う
3.ASEAN各国における災害保健医療管理に関する評価システムの構築に貢献する

プログラム

第一部

ASEAN各国からのピアレビュー参加者が、タイ国保健省および国家救急医療機関(National Institute for Emergency Medicine:NIEM)を訪問し、同国の基本情報、災害管理体制や災害保健医療体制の概要、緊急・災害医療にかかる人材育成・教育システム、緊急医療チーム(EMT)、EMT支援調整メカニズムなどについての説明をうけました。

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タイ国保健省での災害医療に関する概要説明

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NIEMの役割について説明を行う同機構総裁(Atchariya Pangma氏)

第二部

2022年度ARCHプロジェクト国別研修の参加者による、タイ国の国レベル目標(POA/ALD DHM)の達成状況に関する説明に引き続いて、ASEAN各国の参加者により、現在タイがおかれている状況の分析や、今後の発展のための提案についての協議が行われました。

今後ASEAN各国において、ARCHプロジェクト担当者により自己評価が実施され、その結果は、2024年、2025年に実施予定のピアレビューの基礎情報として活用されるとともに、来年度国別研修においても共有され、それに基づいてアクションプランの策定が行われる予定です。

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国レベル目標(POA/ALD DHM)の達成状況について報告する2022年度国別研修参加者(タイ国 Panchita WONGTHANOO医師)

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活発な議論を行うASEAN各国からの参加者