第5回災害医療にかかるASEAN地域連携演習準備会議の開催-大規模災害医療演習の再開に向けて準備を開始!-

2023年3月22日

2023年2月3日、各国際会議に続き2023年に開催予定の第5回災害医療にかかる地域連携ドリル(Regional Collaboration Drill:RCD)の準備会議が本演習実施の招致を表明したマレーシア保健省関係者を招いて開かれました。本会議にはタイ、インドネシア、フィリピンからも過去のRCD実施において中核となった人材を演習指導員として招聘し、加えてASEAN事務局保健課担当者、ASEAN防災人道支援調整センター(AHA)代表、ARCHプロジェクト国内支援委員、JICA国際協力専門員も参加し、具体的な実施計画から開催に向けた準備スケジュールが協議されました。本ドリルはマレーシアにおいて本年9月25~28日に実施することで合意しました。

RCDは、ARCHプロジェクトが開発したASEAN域内の緊急医療チーム(EMT)派遣調整の手順書(EMT SOP)と保健医療ニーズ調査書式や緊急災害カルテなどの各種ツールの検証、またRCD主催国の国際EMT受入れにかかる手順を確認する目的で、プロジェクト開催初期の2016年以降、新型コロナ流行のために中断されるまで、毎年開催されてきました。

RCDの標準実施内容は、あるASEAN加盟国(RCD主催国)で大規模な災害が発生したため、同被災国から他のASEAN各国に緊急医療チーム(Emergency Medical Team:EMT)の派遣が要請され、ASEAN9カ国がこれに応じてEMTを派遣するという設定で、想定シナリオに基づく机上演習、模擬診療を含めた実地演習を4日間程度実施するものです。RCDには各国のEMTチームからそれぞれ5名(医師1~2名、看護師2名、ロジスティクス1~2名)が参加し、加えて日本及び他のAMSやASEAN事務局、AHAセンターからの演習指導員を含めて70名以上が海外から、マレ-シア保健省の演習管理者、実地演習時の患者役、被災者役等、マレ-シア国内の参加者も少なく見積もって100人以上、つまり総勢200人が参加する大規模な演習です。

過去の実績

スタートアップ(2016):タイ「首都での洪水」
第1回RCD(2016):タイ「タイ南部津波被害想定」
第2回RCD(2017):べトナム:「沿岸部台風被害想定」
第3回RCD(2018):フィリピン「首都直下大規模地震被害想定」
第4回RCD(2019):インドネシア「火山噴火被害想定」

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主催国マレーシアより4名の代表者が参加

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RCD開催準備の手順に関する確認