プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)東南アジア海域における海洋プラスチック汚染研究の拠点形成
(英)The Project for Formation of a Center of Excellence for Marine Plastic Pollution Studies in the Southeast Asian Seas

対象国名

タイ

署名日(実施合意)

2020年2月27日

プロジェクトサイト

チョンブリー県

協力期間

2020年10月19日から2025年10月18日

相手国機関名

(和)チュラロンコン大学、イースタンアジア大学、ワライラック大学、ブラパ大学、プリンス・オブ・ソンクラ大学、天然資源環境省
(英)Chulalongkorn University、Eastern Aia University, Walailak University, Brapha University, Prince of Songkhla University、Department of Marine and Coastal Resources of Ministry of Natural Resources and Environment

日本側協力機関名

九州大学、東京海洋大学、熊本大学、鹿児島大学、中央大学、京都大学、東京農工大学、寒地土木研究所

背景

海洋プラスチック汚染は早急な対策が求められる深刻な環境問題として世界的な注目を集めている。しかし、海洋プラスチックの流出経路・分布や海域における現存量及び海洋環境に与える影響等は十分に解明されておらず、現状把握に必要な科学的知見の蓄積及びそれを可能とする調査・研究体制の整備が、効果的な対策を実施する上で国際的に重要な課題となっている。

目標

上位目標

東南アジア海域における海洋プラスチック削減のための具体的な施策が提供される。

プロジェクト目標

学術的センター・オブ・エクセレンス(COE)の設立により、東南アジア海域における海洋プラスチックの持続可能なモニタリング・管理枠組を確立する。

成果

1.海岸および沿岸部の海洋プラスチックのモニタリング手順が確立する。
2.海洋プラスチックの現存量と海洋環境への影響のモニタリング手順が確立する。
3.陸域のプラスチックごみに関する新しいモニタリング手順が開発される。
4.サメーサン地域の科学的エビデンスに基づき、関係機関と共に取りまとめた海洋プラスチック削減のための提言が政府機関に提出される。
5.海洋プラスチックに関する研究者同士の連携、および地域住民、一般市民、政策立案者の意識向上がなされる。

活動

1-1.文献調査を実施する
1-2.海岸プラスチックごみのベースライン調査を実施する
1-3.沿岸水域のマイクロプラスチックに関するベースライン調査を実施する
1-4.沿岸水域のマイクロプラスチックに関するモニタリング・分析を行う
1-5.沿岸水域の化学汚染物質に関するモニタリング・分析を行う

2-1.タイランド湾で海洋プラスチックとマイクロプラスチックのモニタリング・分析を行う
2-2.タイランド湾でマイクロプラスチックに関するモデリングおよびシミュレーションを施する
2-3.モニタリングおよびモデリング結果を分析する
2-4.海洋環境におけるマイクロプラスチックの影響を分析する
2-5.日・タイ研究者の共同研究により論文を発表する

3-1.文献調査を実施する
3-2.サメーサン地域で排出されるプラスチックごみ量に関するベースライン調査を実施する
3-3.サメーサン地域で遠隔測定(ドローン等)や携帯アプリケーションを用いた陸域プラスチックごみモニタリングを実施する
3-4.サメーサン地域で陸から海へのプラスチックごみ流出量を推計する
3-5.PCDにより策定された既存の国レベルプラスチックマテリアルフローを再考する
3-6.日・タイ研究者の共同研究により論文を発表する

4-1.上記のモニタリングや分析結果により、サメーサン地域の陸域から海へのマイクロプラスチックの負荷量を推定する
4-2.数値モデル等の分析結果に基づき、サメーサン地域における海洋プラスチック削減ターゲット値を算出する
4-3.サメーサン地域の海洋プラスチック削減のための提言書を策定する
4-4.サタヒップ研究からの教訓を外挿し中央政府機関に対する提言書を策定する

5-1.タイとアセアン諸国の研究者を対象とするワークショップやシンポジウムを開催する
5-2.地域住民や一般市民、政策立案者に対するシンポジウムや意識啓発イベントを開催する

投入

日本側投入

1.在外研究員派遣(短期)

・海域観測・モデリング・分析および研修
・陸水域や沿岸のマイクロプラスチック分析
・海岸漂着ごみ分析
・化学汚染分析
・プラスチック廃棄物フロー解析・削減政策

2.在外研究員派遣(長期)

・業務調整

3.招へい外国研究員受入れ

・マイクロプラスチック調査
・マイクロプラスチック分析

4.国際シンポジウム(年に一度日本またはタイで開催)

5.機材供与

・マイクロプラスチック観測機材一式(ネット、流量計等)
・マイクロプラスチック分析機材一式(FTIR、汚染物質等)
・カメラ搭載の調査用機材(ドローン等)
・海洋観測機器(ADCP等)一式
・計算サーバー一式
・遺伝子分析用機材
・生理学的分析機材

相手国側投入

1.カウンターパートの配置
2.JICA専門家執務室および設備(チュラロンコン大学内)
3.プロジェクト活動費