プロジェクト第2フェーズキックオフ式典および「国会および国会を補佐する諸機関-課題および挑戦」セミナーの開催

2018年4月19日

2017年10月からのベトナム国会事務局能力向上支援プロジェクト第2フェーズ開始にあたり、2018年1月29日、国会議事堂において、フェーズ2のキックオフ式典が開催されました。

本式典には、ベトナム側代表であるレ・ボ・リン国会副事務総長兼国会事務局次長をはじめ、フェーズ1においてプロジェクト活動の推進にご尽力されたレ・ミン・トン前国会法律委員会副委員長・現国会議長補佐、グエン・シー・ズン前国会事務局次長ほか多くの国会議員やONA各局関係者、また日本側から、本プロジェクトの国内支援委員会の委員長である坪井善明早稲田大学教授、憲法学者の樋口陽一東京大学・東北大学名誉教授、高見勝利上智大学名誉教授、衆議院法制局を代表して高森雅樹同局第五部第一課課長、在ベトナム日本大使館およびJICA関係者が出席し行われました。

式典では、日本側代表として、中村俊之JICA公共開発・産業政策部長より、今後4年間実施されるプロジェクト第2フェーズでは、ベトナム国会及び国会事務局のニーズと日本側関係者の知識、経験とを適切に繋ぎ合わせて、日越が相互に学び・発展できる協力活動を推進し、ベトナム国会及び国会事務局の発展に貢献したいとの希望が表明されました。

これを受け、ベトナム側からリン国会副事務総長より、今後プロジェクトが成功することを確信するとともに、そのためには、プロジェクトの国内支援委員会をはじめ日本側各関係機関のご支援とご協力を一層必要とするものであり、ONAとしても本プロジェクトの活動により関心の目を向け、プロジェクト活動が効果的かつ適時に進むよう条件整備を行っていく旨が述べられました。

式典を締めくくり、リン国会副事務総長が、「国会事務局能力向上プロジェクト第2フェーズ」の開始を宣言しました。

【画像】

キックオフ式典での日越関係者間の懇談風景

また、翌30日、国会事務局(ONA)とJICAの共催で、「国会および国会を補佐する諸機関-課題および挑戦」に関するセミナーを実施しました。

今般のセミナーは、国会及び国会事務局の機能の基本に立ち返り、日越双方の経験を持ち寄って、その課題と挑戦を浮き彫りにしようとするものです。

日越国会及び国会事務局が果たすべき役割について改めて考え、理論面でも実務面でも原点回帰を図る重要なこの機会に、本プロジェクト国内支援委員会の委員長である坪井善明早稲田大学教授に日本側の共同議長をお務めいただき、樋口陽一東京大学・東北大学名誉教授、高見勝利上智大学名誉教授、また、衆議院法制局の高森雅樹課長にご講演いただきました。ベトナム側からは、前日のキックオフ式典に続き、共同議長をレ・ボ・リン国会副事務総長兼国会事務局次長にお務めいただき、グエン・シー・ズンONA前次長、グエン・ドゥック・ラムONA議員養成センター課長にご講演いただきました。

樋口先生におかれましては、「共和国と国会」と題した基調講演をいただきました。かつてのホー・チ・ミンの活動をなぞり、フランスとアメリカという2つの共和国に言及し、そこから「公共」としての国家の重要性を説き、私的利益の侵入を戒め続ける努力の必要性を訴える先生の言葉は、深く参加者の胸に残りました。

ベトナム側からは、樋口先生の基調講演に続き、シー・ズン前国会事務局次長に「ベトナム国会の歴史と課題」と題してご講演をいただきました

これに続き、高見先生に「世界および日本国内の状況の変化に対応する憲法改正等の日本国会の動き」と題したご講演をいただきました。

衆議院法制局の高森課長のご講義「立法補佐機関としての役割-現状の課題への対応-」は、立法補佐機関の役割や心構え、日本における具体的課題への対応について紹介するものであり、ベトナムの立法補佐機関のみならず、立法に係わる皆様への示唆に富むものとなりました。

最後に、セミナー開催日の前週まで中国で開催されていたサッカーU23アジア大会におけるベトナムの若者チームの活躍を好事例として、ONAのラム課長から、「ベトナム国会事務局-U23の成果から見る課題」と題した講演を行っていただきました。

これらの講演を基に、セミナーでは活発な意見交換が行われました。

【画像】

セミナーにおいて講演される樋口先生

【画像】

セミナー全景(発表者はリン国会副事務総長