ベトナム国会総務局 訪日研修

2018年9月20日

2018年8月6日から8月14日にかけて、ベトナム国会事務局の総務局を対象に、日本の国会運営について学ぶ研修を東京で実施しました。研修には、国会運営業務を主管する総務局のチャン・ティ・キム・ニュン局長をはじめ、4名の女性が参加しました。

研修では、日本の衆議院事務局の議事部や委員部、記録部などから、1)本会議の運営方法、2)国会の委員会構成、3)国会会議録の作成方法といった実務的な講義が行われました。また、現代政治分析が専門の日本政治総合研究所の白鳥令教授からは、日本の立法過程の実態について講義が行われ、各政党の国会対策委員会や国会会期との関連が説明されました。4名の研修員は、どの講義の間も熱心にメモをとりながら、多くの質問をし、日本の制度や経験を積極的に学ぼうとする姿勢が印象的でした。

研修の最後に行われた振り返りのディスカッションでは、研修員から「ベトナムでは本会議にかける時間が非常に長く効率的でない。委員会でより実質的な審議を行えるようにしたい」といった意見や「国会に提出される法案の質を向上させることが重要」といった意見が出されていました。これに対して、白鳥教授からは「国会審議を透明化するとともに、国民からの意見を吸い上げる機能を向上していくことが重要」とのアドバイスが出されていました。

また、研修期間中には衆議院の向大野新治事務総長への表敬訪問も行われました。向大野事務総長はかつてベトナムの国会で日本の政治制度について講演を行ったことがあるということで、「衆議院とベトナム国会との関係をさらに深め、お互いwin-winの関係にしていきたい」と述べました。これに対してニュン局長からは、これまでの衆議院の支援に対して感謝の意が伝えられるとともに、研修で得た知識や経験をベトナムの国会事務局で生かしていく決意が示されました。

本プロジェクトでは今回の訪日研修を皮切りに、ベトナム国会の運営改善に向けた支援を累次的に行い、国会のさらなる機能向上を目指します。