ベトナム南部キエンザン省CDC(Center for Disease Control)にてデング熱診断技術のフォローアップ研修を実施

2020年10月15日

2020年10月14日~15日の2日間で、キエンザン省CDCにてデング熱ウイルス検出技術のフォローアップ研修を実施しました。研修では、ホーチミン市のパスツール研究所(PI HCMC)の3名のベトナム人研究者と、プロジェクトの日本人専門家が指導員として、キエンザン省CDCの若手検査技師3名に対し、主に「リアルタイムPCR法」を使用したデング熱ウイルスの検査手順や検出結果の分析方法などについて技術指導が行われました。

これまでプロジェクトでは、「PCR法」を使用した各種病原体検出検査の技術指導を進めてきましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、ベトナムでは多くのCDCにおいて「リアルタイムPCR機」の導入が進んでいます。「リアルタイムPCR法」による新型コロナウイルス検査は、プロジェクトがこれまで技術指導を進めてきた「PCR法」を基盤としています。そこでプロジェクトでも、カウンターパートである各省CDCの検査技師が、プロジェクトからの技術指導で習得した技術を活用し、さらに「リアルタイムPCR法」による新型コロナウイルス検査も適切に実行できるようにフォローアップ研修を進めています。

キエンザン省CDCでは、デング熱ウイルスの検査を年間100件ほど行っていますが、それは主に血清診断法によるものであり、PCR法での検査体制もまだ十分には確立されていませんでした。それが今年に入り、ベトナム保健省による「リアルタイムPCR機」の導入と、新型コロナウイルス検査のための検査技術指導が行われ、また今回プロジェクトによりフォローアップ研修を行った結果、CDCの検査技師は一定の検査技術を習得することができました。彼らの習得した「PCR法」、「リアルタイムPCR法」は、様々な病原体の検査を可能とし、今後より一層、正確・迅速な検査が行えるようになります。

プロジェクトでは、デング熱ウイルス検出技術などのプロジェクトで目標とする技術の指導と共に、新型コロナウイルスの検査技術など、ベトナムの現在のニーズに合った技術協力をこれからも進めていく予定です。

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キエンザン省CDCの検査技師が行っているデング熱ウイルス検査工程を見守る甲斐プロジェクトチーフアドバイザー

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キエンザン省CDCの検査技師にアドバイスをする甲斐プロジェクトチーフアドバイザー

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ホーチミンパスツール研究所から研修指導員として参加した研究者と甲斐チーフアドバイザー

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研修指導員と研修員が「リアルタイムPCR機」を使用したデング熱ウイルスの検査結果を分析し、評価する様子