経済集中案件に対する評価結果の公表

2021年10月22日

Aercap Holdings N.V.及びGeneral Electric Companyによる経済集中(2021年10月22日公表)

競争消費者庁は、2021年10月22日、Aercap Holdings N.V.及びGeneral Electric Companyによる事業者買収に関し、競争法第30条が禁止する経済集中には該当しないとの通知を行った旨公表しました(完全かつ適法な届出書は2021年9月7日に受理され、当該通知は2021年10月8日に行われたとされています。)。

本件は、Aercap Holdings N.V.(AerCap)(拠点はアイルランド)が、General Electric Company(GE)(本社は米国)の航空機リース事業の全てを買収することを内容とするものとみられます。
本件公表文では、本件事業者買収の各取引は以下のとおりとされています。
<取引1>
AerCap US Aviation LLC(図1の1a)は、GE Capital US Holdings, Inc.(1C)から、GE Capital Aviation Services LLC(1b)の定款資本の全てを取得した。
<取引2>
AerCap Aviation Leasing Ltd(2a)は、GE Ireland USD Holdings
Unlimited Company(2c)から、GE Capital Aviation Services Limited(GECAS)(2b)を間接的に取得する。
<取引3>
AerCap Aviation Leasing Ltd(3a)は、Celestial Transportation Finance Ireland Limited(3b)の定款資本の全てを取得した。
<取引4>
AerCap Aviation Leasing Limited(4a)は、GE Financial Holdings Unlimited Company(4c)から、GECAS Trading Ireland Limited(4b)の定款資本の全てを取得した。
上記の4つの取引のうち、ベトナム市場に直接関係し、最も影響を及ぼす経済集中は取引2である。その理由は、GECASは多くの資産を持つ7つの子会社を有し、ベトナム市場におけるリース用航空機の総資産価値は3000億ベトナムドンを超え、GEのベトナム市場における航空機リースによる収益の90%以上を占めているからである。
上記の4つの取引の終了時に、GEグループに属する企業(図1の1b、2b、3b、4b及びGECAS)がAerCapの管理下に置かれ、AerCap が100%所有することとなる(図2を参照)。

また、本件公表文では、現在、上記企業の経済集中に関する通知書類は、以下の国で承認されているとされています。
EU(2021年7月26日)
米国(2021年5月24日)
ナイジェリア(2021年6月25日)
サウジアラビア(2021年8月9日)
韓国(2021年6月24日)
トリニダード・トバゴ(2021年7月21日)
トルコ(2021年7月1日)
ブラジル(2021年8月18日)
さらに、本件公表文では、本件の取引は海外で行われているものの、本件の関係事業者がベトナム国内で有する資産・収益が3兆ドンを超え、これがベトナムにおける経済集中の届出閾値を超えているとされています。
なお、ベトナムでは、本件の関係事業者は主に航空分野で事業を行っているとされていることから、本件は水平的な経済集中に該当するものと考えられます。

【画像】図1:経済集中前の所有構造

【画像】図2:経済集中後の所有構造