テレビ番組における競争法啓発活動

本プロジェクトでは、ベトナムの事業者、行政機関及び消費者に対する2018年競争法の啓発活動を積極的に行っています。その一環として、競争消費者庁（VCCA）がベトナムのテレビ局VTCの番組において1）"Economic concentration notification：compliance to fair competition"、2）"Competition for the ride-hailing market in the new normal"をテーマにした番組を制作し、2022年3月18日及び19日に放送されました。

1）"Economic concentration notification：compliance to fair competition"には、VCCAの経済集中規制課のLan課長、商工省競争評議会のTuan課長補佐、LNT＆PartnersのTuan弁護士が出演し、2021年におけるベトナムの経済集中の状況や経済集中届出に関するコンプライアンス等について議論されました。特にVCCAのLan課長は、2021年における経済集中の届出状況について説明するとともに、企業が経済集中を実施するに当たり一定の基準に該当する場合はVCCAに届出書を提出し承認を得なければならないこと、そのためにVCCAは届出書類に関する企業からの相談や指導等を行っていることを説明しました。

2）"Competition for the ride-hailing market in the new normal"には、VCCAの経済集中規制課のLan課長、商工省Ecommerce管理課のTuan課長、交通運輸省運輸局のPhong氏が出演し、近年市場規模が急拡大しているベトナムの配車仲介サービス市場における競争環境（市場構造、参入障壁、競争上の問題等）について議論されました。ベトナムでは配車仲介サービスが発達し、3大配車仲介サービス企業であるGrab、Be及びGojekは配車のみならずフードデリバリー、配達、電子決済など多くの機能も追加しており、消費者やドライバーはその恩恵を受けることができる一方で、当該企業の集中度は非常に高く（Grab、Be及びGojekの3社で総市場シェアの約99％を占めている。）、新規参入者は特に財政的な面で新たにネットワークや設備を構築することが困難であるため参入障壁が高く、そのことが既存の事業者の支配力をより強化するリスクがあるといった問題点が挙げられました。

上記番組はYouTubeで公開されています。

• 1）"Economic concentration notification：compliance to fair competition"（外部サイト：YouTube）
• 2）"Competition for the ride-hailing market in the new normal"（外部サイト：YouTube）

3月18日にVTC1で放送された様子