ホーチミン市における公開セミナーの開催

2022年5月20日

2022年5月20日、ホーチミン市において、本プロジェクトの枠組みの下、ベトナム競争消費者庁(VCCA)が主催する経済集中規制をテーマとした公開セミナーが開催されました(オンライン併用)。

本セミナーでは、VCCAのTrinh Anh Tuan副長官が議長を務め、また、JICAホーチミン出張所の増田親弘首席駐在員や長島・大野・常松法律事務所ホーチミンオフィス代表(ホーチミン日本商工会議所副会頭兼事業環境委員長)の中川幹久弁護士の御出席の下、VCCA経済集中規制課のTran Phuong Lan課長から2019年以降の経済集中規制の運用状況、ベトナムで経済集中届出の実務を行っているĐinh Ánh Tuyết弁護士から事業者側の視点からみた経済集中規制の遵守、JICA長期派遣専門家から日本の企業結合審査における公取委と当事会社とのコミュニケーションの重要性についてプレゼンテーションが行われました。

また、本セミナーには、行政機関や日系企業の職員も含め、約150名(オンラインを含む)の方々に御出席いただき、経済集中規制の運用等に関し、活発な議論が行われました。特に、ラウンドテーブル及びQ&Aセッションでは、経済集中届出に係る課題についても議論され、中川弁護士からは、届出書類の十分性が求められている中、市場占有率のデータが整備されておらず入手できない事案もあるところ、明らかに問題がない事案とそれ以外の事案で審査の濃淡をつける等の対応が必要といったご指摘がありました。

新型コロナウイルスが世界経済に大きな影響を与えている中にあってもベトナムではM&Aが活発に行われ、VCCAへの届出件数も増加しています。こうした中、競争法による経済集中規制の的確かつ効果的な運用によってベトナム市場の透明性や公正性を確保・促進することは、ベトナム経済の持続的な経済成長を実現するために重要と考えられます。

本プロジェクトでは、引き続き、このような公開セミナーを含め、競争法の実効性のある運用に資する取組を実施することとしています。

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会場の様子

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ラウンドテーブルの様子:左から中川弁護士、Lan課長、Tuyết弁護士