12.メコンデルタのエビ養殖の省エネ化を目指すチームとの交流

2022年7月12日

2015年から2020年にかけて、ベトナム国家大学ホーチミン市校ナノテク研究所(INT)で実施されたSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)プロジェクト「高効率燃料電池と再生バイオガスを融合させた地域内エネルギー循環システムの構築」は、有機性廃棄物(農業残さ、農作物加工残さ、養殖池汚泥、家畜の糞尿、生ごみといった動植物由来の廃棄物)を燃料電池で「燃やさずに」電力に変換し、その電力を利用するシステムを開発しました。その成果として、実際にエビ養殖場でエネルギー循環システムの実証プラントを構築しました。養殖池内に発生する汚泥を発酵させてバイオガスに、さらにそのバイオガスを燃料電池で電気に変換し、得られた電気を養殖場の曝気装置に供給するものです。同プロジェクトに共同参画したカントー大学水産学部は、この研究成果をもとに、九州大学工学院や農学研究院、ならびに、人と社会と自然に優しい最適環境の創造に取り組む裕幸計装株式会社らとともに、メコンデルタ地域のエビ養殖の大幅な省エネ化を事業化すべく、更なる実証試験を行っていく予定です。エビ養殖が盛んなメコンデルタ全域にスケールアップが期待できるこの産官学連携事業に取り組む研究チームと情報交換を行いました。

【画像】九州大学農学研究院海洋生物学分野の太田先生(左から二人目)、水産養殖学分野の栗原先生(右から三人目)、裕幸計装株式会社の太田常務(左から三人目)らをお迎えして